換気の重要性とは?汚れた空気を室外へ排出する方法を紹介
健やかで快適な生活を送りたいなら、換気による空気の入れ替えを定期的に行う必要があります。換気は汚れた空気を室外に出すだけではなく、今なお世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスの感染対策としても有効です。
そのため、換気や空気の汚れに関する知識、おすすめの換気方法などを学びたいという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、換気の概要に触れつつ、換気の重要性や効率の良い方法を解説します。また、換気と組み合わせて使える空気清浄機も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
換気とは?室内の空気の汚れについて解説
効率良く換気を行なうためには、まず換気について正しい知識を身に付けることが大切です。まずは、「換気」の概要と室内の空気が汚れる原因を押さえておきましょう。
◇換気とは
換気を簡潔に説明すると、「室内の汚れた空気を排出し、室外からきれいな空気を取り込んで循環させること」です。単に空気を入れ替えるだけではなく、室内に溜まった空気の汚れを取り除く行為でもあります。
定期的に換気をしないと、室内の空気を浄化できず空気中に汚れが充満し、結果として健康に支障をきたすことにもなりかねません。
◇室内の空気を汚すおもな原因物質
室内の空気を汚す原因物質にはさまざまな種類がありますが、代表的なものは以下のとおりです。
・二酸化炭素
人間は呼吸するときに二酸化炭素(CO2)を吐き出すので、換気を怠ると室内の二酸化炭素濃度が上がってしまいます。その結果、頭痛や倦怠感といった症状の発生や、集中力の低下につながるのです。
・タバコの煙
タバコの煙は強いニオイを発するだけではなく、タール、ニコチン、一酸化炭素(CO)などの有害物質を多く含んでいます。タバコを吸っていない人も受動喫煙による悪影響を受け、肺がんや肺気腫といった病気にかかってしまう危険性があります。
・ノミやダニ
ノミやダニに刺されると、発疹、かゆみ、水膨れといった症状が起こります。特に、ダニは死骸やフンによってアレルギーを引き起こすこともあるため、とても厄介な存在です。
・カビ
カビは室内のホコリやダニを栄養分とし、十分に換気されていない部屋だと発生リスクが高まります。特に水回りや押し入れ、家具の裏側などに発生しやすいため、注意が必要です。
・合成化学物質
住宅の建材や普段使っている日用品には、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、スチレンといった合成化学物質が含まれている可能性があります。これらの化学物質が揮発すると、頭痛やめまい、のどの痛みなどの体調不良を引き起こす有害なガスとなります。
・ウイルスや細菌
換気されていない密閉空間では、ウイルスや細菌が溜まりやすい環境になっているため、感染のリスクが高まる傾向にあります。空気感染や飛沫感染、エアロゾル感染によるクラスター(集団感染)に十分注意しなければなりません。
なお、エアロゾル感染については、以下の記事も参考にしてください。
参考:エアロゾル感染とは?新型コロナウイルス感染を防ぐために気を付けるべきこと
・花粉
花粉は外出から戻ったときに持ち込んでしまうだけでなく、窓や給気口からも建物内に入ってきます。したがって、花粉が多い時期には換気をためらってしまうこともあるでしょう。
換気の際に花粉を室内に入れないようにするには、花粉が比較的少ない午前10時頃までに換気する、フィルターを吸気口に付けるなどの工夫が必要です。
・PM2.5
PM2.5(微小粒子状物質)も花粉と同様、室外から入り込んできます。PM2.5を吸い込むと風邪と似た症状や呼吸器系・循環器系の病気を引き起こす恐れがあるので、フィルターを使った対策などが必要です。
換気の重要性
先述したように室内の空気の汚れを浄化するためには、定期的な換気が大切です。
ここでは、換気がどれほど重要なのか、数値や事例を交えながら解説します。
◇有害物質や汚れを除去する
住宅構造やライフスタイルを問わず、室内の空気には有害物質や汚れがある程度存在するため、日頃から換気を心がけることが大切です。
人は生きている間にさまざまな物質を摂取しますが、そのなかでも「空気」は全体の83%と大半を占めています。「室内の空気」だけに絞っても、57%と高い割合にあることから、空気をきれいな状態にすることが、どれだけ大切なのかわかるはずです(※1)。
◇シックハウス症候群の予防になる
室内を漂う合成化学物質は「シックハウス症候群」を引き起こす原因の一つであるため、適切な換気による予防が欠かせません。
現在は法改正によって建材の安全性が増していますが、合成化学物質がまったく使われなくなったわけではありません。基準内に収まる量であれば使用できるため、現在でも健康上のリスクはあります。
特に心当たりがないのに頭痛、倦怠感、のどの痛み、皮膚疾患などが起こるなら、シックハウス症候群を疑いましょう。
◇脱臭効果がある
部屋を閉めきっていると、どうしてもニオイがこもってしまいます。空気を入れ替えられるだけではなく、脱臭ができるという点でも換気は重要です。
室内から嫌なニオイを取り除けば、気分がスッキリして快適に過ごせるようになり、家事や仕事の効率化にもつながるでしょう。
◇ノミ、ダニ、カビの繁殖抑制になる
室内の湿度が高かったり、窓に結露が発生していたりすると、ノミ、ダニ、カビが繁殖しやすくなります。湿気や結露はこまめな換気で防げるため、冷暖房を多用する時期や梅雨などには忘れずに実施するようにしましょう。
特に、カビは人体だけではなく、住宅にも悪影響をもたらします。賃貸物件に住んでいる場合は、入居者が修繕費用を負担しなければならないケースもあるので、注意しましょう。
換気を効率良く行う方法
効率の良い換気方法を紹介するので、こちらも押さえておきましょう。
◇機械換気と自然換気を上手に使う
換気の方法には、大きく分けて「機械換気」と「自然換気」の2つがあります。
機械換気は「動力を利用する換気」です。換気扇や送風機を使って室外からきれいな空気を取り込んだり、室内の汚れた空気を強制的に排出したりする方法を指します。
一方、自然換気は「温度差や気圧差を利用する換気」となり、動力は使いません。窓やドアを開けて換気する方法といえば、イメージしやすいでしょう。
効率良く換気するためには、この2つの方法を上手に組み合わせることが大切です。
◇給気口と排気口を開けておく
換気を行なう際には、空気の入口になる「給気口」と出口になる「排気口」をきちんと開けておく必要があります。窓が出入口となる場合は、対角線上にある窓を開けましょう。
また、排気口の窓だけ全開にすることも重要です。給気口の窓も全開にすると空気の勢いが弱まり、かえって換気効率は下がってしまいます。
◇窓やドアで空気の通り道を作る
換気では「空気の通り道」を作ることも重要です。給気口から排気口へスムーズに空気が流れるよう、窓やドアで通り道を作っておけば、換気効率も上がります。
間取りの関係で空気の通り道を作れない場合、扇風機やサーキュレーターを室外に向けて配置すれば、汚れた空気を排出できるでしょう。
◇キッチンの換気扇を有効活用する
キッチンの換気扇は効果範囲こそ狭いものの、優れた換気力を持っています。他の換気方法と併用すれば、さらに換気効率が上がるでしょう。
具体的に換気を行う回数について知りたいという方は、以下の記事をご覧ください。
参考:換気回数の計算方法とは?1日、どれくらい換気をすれば良いのか
換気と組み合わせて空気清浄機の活用を
より効率良く換気したい場合には、空気清浄機も活用することをおすすめします。近年は、有害物質除去機能や脱臭機能を備えたタイプの空気清浄機も増えています。特に、窓を閉めているときなどは、空気清浄機で換気をサポートするとよいでしょう。
まとめ
換気は健やかな生活を送り、快適な生活空間を作るうえで欠かせません。近年は新型コロナウイルスの影響もあり、換気がより強く推奨されていますが、仮に新型コロナウイルスが収束したとしても換気の重要性は変わらないでしょう。
換気に関する正しい知識や効率の良い方法を押さえつつ、日頃から室内の空気をきれいにすることを意識してみてください。
クリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機に関する情報は、こちら。
(※1)出典:臨床環境医学第9巻第2号 村上周三「住まいと人体-工学的視点からー」
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