オフィス環境改善の必要性とは?メリットや改善の具体的方法を解説

2020.12.14 空気環境

オフィス環境改善の必要性とは?メリットや改善の具体的方法を解説

仕事にとって、ストレスは大敵です。働く人のストレスを低減しながら生産性の維持・向上を図る「働き方改革」が推進されるようになり、ワークライフバランスの改善が提唱されるようになりました。しかしストレスの低減には労働の短時間化にとどまらず、働くオフィス環境の見直しも大切です。
この記事では、オフィスの環境改善についてさまざまな観点からご説明し、そのメリットや具体的な改善策についてもご紹介します。

オフィス環境の改善が求められている理由

オフィスの環境改善が、今なぜいち早く必要であると言われているのでしょうか。オフィス環境を見直すことが求められる理由について、以下にご紹介します。

・働き方改革の推進によりオフィス環境にも注目が集まっているため
過重労働を避け効率化を図って労働生産性を上げるためには、オフィス環境の快適化も求められる要件です。たとえば、従業員の労働時間を減らして適正化しながら業績を維持・向上させる必要があるなら、業務により集中して取り組める環境づくりは必須になるでしょう。

・コロナ禍でオフィスの在り方が問われているため
新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、働く人たちのワークスタイルも大幅に変化しつつあります。働き方によってはテレワーク(リモートワーク)の導入で解決を図れる可能性もありますが、その取り組みに適した業種・職種ばかりではありません。そのため、この先も事業所からオフィスが完全になくなることはないでしょう。今後もオフィスワークが不可欠となる働き方においては、感染予防の観点からより衛生面における見直しが問われている状況と言えます。

快適なオフィス環境であることのメリット

従来のオフィス環境を「働きやすさ」の面から改善することのメリットには、どのような点が挙げられるのでしょうか。ここでは、オフィスを快適に保つことによる業務へのメリットや好影響についてご紹介します。

・生産性・創造性の向上
オフィスで過ごすことが快適になり居心地よくなることで、各従業員が集中して意欲的に業務に取り組めます。その状況を継続的に保つことにより、長期的な視点で見た生産性の向上やスタッフの創造性向上にもつながるでしょう。

・ストレスの軽減
オフィスの居心地次第で、従業員が受けるストレスの度合いも異なります。オフィスにいる時間がより快適になることで、業務によるストレスの軽減につながることも期待できるでしょう。

・ターンオーバーレート(離職率)の低減
企業の離職率の原因の1つに、ターンオーバーレートが挙げられます。
従業員に快適なオフィス環境を与えることは定着率を上げ、企業のイメージアップにもつながります。

オフィス環境を改善する具体的な方法

今からオフィス改善に取り組み、働き方改革の効果をより高めたいと考えている企業も数多くあるでしょう。ここでは、オフィスの環境改善に関する具体的な方法についてご紹介します。難しく考えずとも、「居心地をよくすること」について考えるだけで、意外に簡単に取り入れられる対策が数多く上がってくることが分かります。

・オフィス家具
長年同じオフィス家具を使い続けているオフィスも少なくないと思いますが、その家具を選んだ理由を今一度見直し、状況次第では見直しを図ることもおすすめです。以下に、快適さを優先したオフィス家具選びのポイントについてご紹介します。

1.疲れない椅子
椅子は人の体重を支える大事な家具の1つです。ただ座れれば良いと適当に選んだものをいつまでも使い続けていると、疲れやストレスの原因になりかねません。
快適な椅子の要件には座面のクッション性や背面のバネ、個人の体型に合わせられる高さ調整の機能などが挙げられます。これらをバランス良く満たし、姿勢悪化や肩こり、腰の痛みなどを招かない椅子を選定しましょう。

2.狭すぎないデスク
デスクは、「収納力」や「置き場所に合ったサイズ感」などで選んだものを使用している企業が多いと思います。書類のペーパーレス化も進んでいる折、シンプルな形状かつ作業スペースに余裕を持たせられる「狭すぎないデスク」を導入することも1つの手です。また、複数の従業員が入れ替わって短時間利用する共用デスクスペースなどには「スタンディングデスク」を導入する方法もおすすめです。その名の通り立ったまま作業が行えるスタンディングデスクは、座り過ぎによって血流が悪くなることでの健康への悪影響を予防することにも貢献します。

3.オフィスの全体レイアウトを見直すには
従来のオフィス環境を思い浮かべたとき「仕切りが多い」「顔を上げると必ず誰かと対面する配置」などを思い浮かべるなら、全体のレイアウトを見直すことで快適さの向上を図れるかもしれません。
以下の例を参考にレイアウトを見直し、疲れにくく開放感のあるオフィスづくりに役立ててみてください。

【フリーアドレス席の導入】
部署によっては、従業員のデスク位置を決める必要がない場合もあります。日々異なるデスクに着いて仕事ができる「フリーアドレス型」のレイアウトを導入することで、日々の仕事も新鮮な気分で取り組めるでしょう。特に新しい発想やアイデアが求められる業務の場合、この些細な気分転換が業務効率に意外なメリットをもたらすこともあり得ます。

【従業員目線の配置】
オフィスによっては、上長の席から各部下の席が見渡しやすい配置になっている場合も少なくないでしょう。しかし、それが各従業員にとって窮屈な配置であれば業務効率向上にはつながりません。レイアウトを見直す際には、各従業員からの目線による意見も取り入れ、ストレスを生まない家具の配置に生かしてみましょう。

・光、空気、音
空間や備品の機能性にこだわるだけでなく、人の感覚に配慮することもオフィス改善の重要なポイントです。働く人の視覚や聴覚、嗅覚などに気を配ることも、オフィス環境を見直す上では大切になります。

1.オフィスの照明
多くの人が業務に使用しているパソコンのモニターは、光量が比較的強めです。それと比較してオフィスの照明が暗すぎれば、疲れ目や肩こり・頭痛の原因になる場合も。明るく自然な色合いの照明を導入したり、自然光を上手に取り入れたりする工夫をしましょう。

2.観葉植物の導入
緑を見ることは気分を落ち着かせ、ストレスを低減する効果があると言われています。自然に働く人の目に入る位置に観葉植物を置くなど、リラックス効果につながる緑の活用を考えてみてはいかがでしょうか。

3.室内の温度管理
室温の寒さ・暑さは業務効率に大きく影響します。適宜従業員の意見を聞きながら勤務中は適温が保てるよう、微調整しやすい冷暖房環境を整えましょう。

4.空気のきれいさ
室内の空気がこもりがちになったり、つねに匂いが気になっていたりすると病気やストレスの原因になります。空気清浄機を導入するなどし、室内の空気をきれいで快適な状態に保ちましょう。また最近は感染予防の観点から、換気の必要性も見直されています。空気清浄機の使用と定期的な換気をバランス良く使い分けることで空気の質を高め、より健康で快適な職場づくりにお役立てください。

6.BGMや作業中のイヤホン許可
自然環境をイメージさせるBGMを取り入れるなどし、音による環境向上を図る方法もあります。あるいは、プライバシーを保ち集中できる状況が必要であれば業務中のイヤホン使用を許可するなど、聴覚面でストレスを生まない工夫をすることも有効です。

まとめ

この記事では、オフィスの環境を改善するための手段をあらゆる視点から取りあげ、実現のための具体的な方法についてご紹介しました。
仕事のストレスを100%なくすことは困難だとしても、ストレスを生む原因を想定しながらできる対策を1つから実施していくことで過度なストレスの回避が可能です。特に音や光や空気、温度などの感覚面における対策は導入しやすく、早期に取り組めるものの1つです。なかでも、空気がきれいに保たれていることはオフィスの居心地やそこで働く人々の健康に直結するため、空気清浄機の導入などで早めの対策を採ってみてはいかがでしょうか。