二酸化塩素で除菌はできる?安全性や注意点について解説
新型コロナウイルスの世界的流行で、オフィスでも感染症予防が急務とされており、その一つとして二酸化塩素を用いた除菌が注目されています。しかし、なかには粗悪な製品があるのも事実で、二酸化塩素の効果に疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、二酸化塩素の除菌性能や安全性、注意点などを詳しく説明します。また、感染症予防で必要なことも併せてお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
二酸化塩素で除菌はできる?
まず、二酸化塩素の概要や、実際に消毒剤として使えるのかを解説します。
◇二酸化塩素とは
二酸化塩素とは化学式ClO2で表される物質で、19世紀にイギリスの科学者ハンフリー・デービーによって発見されました。固体から液体になる融点はマイナス59度、液体から気体になる沸点は11度で、11度以上では通常気体で存在します。
二酸化塩素の気体は、空気より重く、塩素に似た刺激臭があります。高濃度になるとオレンジ色から黄色になることのほか、水に溶けやすいこと、強い酸化力を持つことなどが特徴です。次亜塩素酸ナトリウムと比べると約2.5倍の酸化作用があり、細菌やウイルスなどの微生物に効果があります。
ただし、二酸化塩素の気体を使用した、「空間除菌」は、目や呼吸器の粘膜を刺激するほか、咳などの原因になる可能性があります。
こうしたガスによる消毒法は、かつての伝染病予防法では推奨されていました。しかし、1999年に施行された感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)では推奨されていないので、注意してください。
◇日本では消毒剤としては未承認
日本では、二酸化塩素の経口摂取での安全性は確認されており、プールの殺菌や小麦粉の漂白剤としての認可はされています。しかし、医薬品・医薬部外品の消毒剤としては承認されていないほか、空気中の二酸化塩素濃度の安全基準も検証されていません。
そのため、二酸化塩素は消毒剤として販売できず雑貨として売られており、「除菌」とは表現できますが「消毒」とは表現できません。しかし、なかには「消毒」などと不適切な表示で販売されているケースもあります。
さらに、市販の製品には二酸化塩素をほとんど放出しないものや、使用により体調不良が発生したもの、自社での有効性・安全性の確認を十分に行なっていないものもあるため、注意が必要です。
カビが生えやすい環境
感染症は、次の3点がそろったときに発生します。
・感染経路
・感染源
・免疫力の低下
これら3つのうち1つでも取り除けば、感染症を防ぐことが可能といわれています。それぞれを詳しく見ていきましょう。
◇感染経路を断つ
感染経路を断つとは、感染源を持ち込まない、広げない、持ち出さないことです。感染経路には次の3つがあります。
・空気感染
咳・くしゃみなどで飛散した、飛沫核と呼ばれる極めて小さな粒が、空気中に浮遊して広がって起こる感染。
・飛沫感染
咳やくしゃみ、会話などで飛散した飛沫が他人に付着して起こる感染。飛沫核と比べて飛沫は大きく重いため、空気中を長時間漂うことはできず、重力ですぐに落下します。
・接触感染
病原体が手や指・食品・器具などを経由して起こる感染。
空気感染や飛沫感染を防ぐには、マスクの着用や空気清浄機の使用が効果的です。接触感染を防ぐには、手洗いや手指の消毒が対策となります。その他、部屋などのこまめな清掃により、ドアノブなどに病原体が付着しないようにするのも、接触感染対策に有効です。
◇感染源を排除する
感染源には、おもに以下のようなものが挙げられます。
・感染者の血液や体液・嘔吐物・排泄物など
・嘔吐物などの処理に使用した器具や機材
・上記のものに触れた手や指
感染源を排除するには、嘔吐物などの速やかな処理が大切です。処理の際は、マスクやエプロン、手袋などを着用して、使用後はすぐに廃棄するようにしましょう。また、処理後の手洗いや手指の消毒も重要です。
◇免疫力を高める
人間の体には、目に見えない多くの細菌やウイルスが存在しています。
普段病気にかからない理由は、白血球やT細胞、B細胞など免疫の力で細菌やウイルスを防いでいるからです。つまり、病気にかかっているときは、免疫力が感染力を下回り、細菌などを防ぎきれなくなった状態を意味します。
免疫力を高めるためには、バランスの良い食事が重要です。免疫の原料となるタンパク質を中心に、野菜や発酵食品などをまんべんなく摂取しましょう。また、睡眠不足も免疫力低下の原因となります。しっかりと睡眠をとって疲労を回復させましょう。その他、禁煙や口腔ケアなども、免疫力を高めるために有効な手段です。
感染経路を断つにはHEPAフィルターの空気清浄機が有効
空気感染の感染経路を断つには、マスクの着用が有効ですが、通常私たちが使っているマスクにはすき間も多く、十分な対策とはいえません。マスクの着用と併せて、空気清浄機を使用すれば、より高い効果が期待できます。
クリーンエア・スカンジナビアの「QleanAir FS 30 HEPA」は、オフィス向けの空気清浄機で、HEPA14フィルターを搭載しています。
日本で一般的にHEPAフィルターと呼ばれているものは、JIS規格に基づき、0.3μmの粒子を99.97%以上で捕捉する機能のものを指します。しかし、ウイルスの大きさは0.1~0.2μmであるため、JIS規格のHEPAフィルターでは十分に捕集しきれません。
一方、クリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機で搭載しているHEPAフィルターは、ヨーロッパのフィルター規格であるEN1822やH14グレードをクリアしており、0.1~0.2μmサイズの粒子を99.995%以上捕集できる能力があります。
感染経路を断つには、HEPA14フィルターがより適しているといえるでしょう。
QleanAir FS 30 HEPAに関するより詳しい情報は、以下のページからご確認ください。
クリーンエア・スカンジナビアのQleanAir FS 30 HEPAを見る
まとめ
この記事では、二酸化塩素の性質や除菌能力を説明しながら、感染症を予防するための方法もあらためてお伝えしました。日本では、二酸化塩素を使った消毒剤は未承認で、空間除菌も安全性や効果が十分に検証されていません。
さらに、市販の製品には二酸化塩素をほとんど放出しないものや、使用により体調不良が発生するおそれのあるもの、有効性・安全性の確認を十分に行なっていないものもあるため、注意しましょう。
感染症対策を万全に行なうには、マスクの着用だけでは不十分であるため、マスクと併せて空気清浄機を使用することをおすすめします。また、空気清浄機を導入する際には、性能をよく確認したうえで、ウイルスのような小さな粒子も捕集できるものを選ぶようにしましょう。
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