カフェに喫煙ブースを設置するメリットは?設置するための条件も解説
カフェは原則屋内禁煙ですが、一定の条件を満たすと喫煙ブースを設置できるようになります。喫煙者の集客に役立つだけではなく、非喫煙者の受動喫煙防止にもつながるため、検討する価値が高い選択肢です。
喫煙ブースを設置するための条件や注意点などを、詳しく知りたい経営者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、カフェに喫煙ブースを設置するメリットを踏まえつつ、設置にあたって遵守すべき法律や満たすべき技術的基準、必要な店頭表示について解説します。また、カフェにおすすめの喫煙ブースも紹介するので、ぜひご一読ください。
カフェに喫煙ブースを設置するメリット
カフェに喫煙ブースを設置することで、お店側のみならず利用者側もメリットを享受できます。まずは、それぞれの立場の具体的なメリットを紹介します。
◇お店側のメリット
カフェに喫煙ブースを設けた場合、喫煙者・非喫煙者の顧客満足度が上がるので、結果的に利用者を増やすことができます。
昨今、改正健康増進法の施行や健康志向の高まりにともない、喫煙スペースが減少しているため、肩身の狭い思いをしている喫煙者も少なくありません。喫煙スペースを探し回ることに対し、負担や不満を感じる方も多いでしょう。
このような状況下で喫煙ブースを提供すれば、喫煙者は安心してたばこを吸えるようになるので、今後もお店を利用してくれる可能性が高まります。口コミ評価の上昇・件数増加にもつながるため、新規顧客の獲得やリピート率アップが期待できるでしょう。
また、喫煙ブースの設置は分煙化を促す対策です。喫煙者用のスペースと非喫煙者用のスペースが区分されるので、たばこの煙や臭いを避けたい非喫煙者にとっても利用しやすいお店となります。
さらに、喫煙を目的として入店する場合、たばこを1~2本吸ったら退店する方が多いため、お店の回転率が上がって売上アップにつながることもメリットです。
◇お客様側のメリット
喫煙ブースを設置すれば、喫煙者は「たばこを吸える場所」としてカフェを利用できるようになります。先述したように最近は喫煙スペースが減少傾向にあるため、一服できる場所が増えることは、喫煙者にとって大きなメリットです。
特に、コーヒーとたばこは相性が良いとされているので、それらを一緒に楽しめるカフェがあると、喫煙者の生活も豊かになるでしょう。
また、喫煙ブースはたばこの煙や臭いが外へ漏れない構造になっているため、非喫煙者も安心してカフェを利用できます。
カフェに喫煙ブースを設けるために遵守すべき法律
カフェに喫煙ブースを設ける場合、受動喫煙防止対策にかかわる法律に則した形で設置しなければなりません。本章では、法律の概要や例外となるケースについて詳しく解説します。
◇飲食店は原則屋内禁煙
2020年4月1日、改正健康増進法が全面施行されました。法改正のおもな目的は「望まない受動喫煙をなくすこと」であり、受動喫煙防止対策に関する内容が盛り込まれています。
この法改正にともない、カフェを含む飲食店は原則屋内禁煙となりました。ただし、一定の条件を満たすことにより、喫煙室を設置できるケースもあります。
受動喫煙防止対策に関しては、法改正前から国がさまざまな取り組みを「マナー」として推進していましたが、法改正後は「ルール」になりました。そのため、企業やお店は義務として履行しなければなりません。
◇飲食店でも喫煙できるケースは?
飲食店は原則屋内禁煙ですが、以下のような喫煙室を設置すれば、例外として喫煙が認められるようになります。
● 喫煙専用室
● 加熱式たばこ専用喫煙室
● 喫煙可能室
● 喫煙目的室
「喫煙専用室」では、喫煙のみが認められているため、飲食やその他の目的で利用することはできません。なお、脱臭機能付き喫煙ブースも喫煙専用室の一種に該当します。
「加熱式たばこ専用喫煙室」では、加熱式たばこのみ喫煙可能です。さらに、飲食などを提供することも認められています。
「喫煙可能室」は、2020年3月末までにオープンした小さな飲食店(既存特定飲食提供施設)に設置できるもので、資本金や客席面積の条件が定められています。喫煙はもちろん、飲食なども提供可能です。
「喫煙目的室」は、バーやスナックなど、喫煙スペースの提供を主目的とする施設(特定事業目的施設)に設置できます。ただし、たばこの出張販売許可の取得事業者であること、主食を提供できない、といった独自の条件が定められているため、あらかじめ注意が必要です。
表形式で概要をまとめたので、以下も併せてご確認ください。
種類 | 喫煙 | 飲食 | 設置場所 |
喫煙専用室 | 可 | 不可 | 施設の一部 |
加熱式たばこ専用喫煙室 | 加熱式たばこのみ可 | 可 | 施設の一部 |
喫煙可能室 | 可 | 可 | 施設の全部もしくは一部 |
喫煙目的室 | 可 | 可(主食を除く) | 施設の全部もしくは一部 |
カフェに喫煙室を設置するための技術的基準
カフェに上記の喫煙室を設置するためには、施設の技術的基準を満たすことが求められます。技術的基準の詳細と注意すべきポイントをまとめたので、把握しておきましょう。
◇3つの技術的基準
改正健康増進法における喫煙室の技術的基準は、以下の3つです。
1. 喫煙室の出入口において室外から室内に流入する空気の風速が上中下3ヵ所で0.2m/秒以上である
2. たばこの煙が室内から室外に流出しないよう、壁や天井によって区画されている
3. たばこの煙が屋外・外部に排気されている
また、喫煙室を設置したら約3ヵ月ごとの風速計測、3年間のレポート保管が望ましいとされています。機器の故障の修理や、改正健康増進法の要件変更で再工事が必要になる場合があるためです。
◇注意すべきポイント
1階を全面禁煙、2階を喫煙可能にするといったフロア分煙を実施した施設でも、喫煙専用室での飲食は認められません。ただし、加熱式たばこ専用喫煙室であれば、飲食物を提供可能です。
また、屋内全席で喫煙できる「喫煙可能店」の場合、上記2の技術的基準をクリアするだけで喫煙が認められるようになります。なお、喫煙可能店および喫煙目的室を設置する場合、行政への届出が必要です。
カフェに喫煙室・喫煙ブースを設置するなら、いずれの場合も店頭表示を行なう
カフェに喫煙室・喫煙ブースを設置した場合、その存在を示す店頭表示を行なう必要があります。店頭表示は、店頭および喫煙ブースの出入口に標識を掲示する形で行ないますが、禁煙・分煙の違いや掲示場所によってパターンが分かれるため、事前に確認しておきましょう。
標識のサンプルは厚生労働省が配布しているので、以下のサイトからご覧ください。
参考:なくそう!望まない受動喫煙 標識の一覧(ダウンロード可能・イラスト等挿入不可)|厚生労働省
なお、必要事項をきちんと明記すれば、自作した標識も使用可能です。
カフェに喫煙ブースを設置するならクリーンエア・スカンジナビア
喫煙室を設置する際は、技術的基準を満たすだけではなく定期的な法律要件の計測やレポート保管のコストと手間がかかり、更に十分なスペースを確保しなければなりません。そのため、敷地面積や間取りによっては設置が難しいケースもあります。
カフェ内のスペースが限られている場合、喫煙室の代わりにクリーンエア・スカンジナビアの喫煙ブース「分煙キャビン」の設置をご検討ください。
当社の分煙キャビンは100V電源さえ確保できれば、ちょっとした空きスペースにも設置可能です。大規模な設置工事も不要で、以下のような法律要件の計測・レポートなどについても一括で任せられるため、コストや手間を大きく軽減できます。
● 総揮発性有機化合物の除去率が95%以上であること
● 当該装置によって浄化され、室外に排気される空気における浮遊粉じんの量が0.015mg/m3以下であること
さらに、独自開発の高性能フィルターにより、捕集が難しいたばこ粒子をほぼ100%キャッチできることも強みです。たばこの有害な煙と臭いを除去できるので、優れた分煙効果を発揮します。
また、設置後も当社専門スタッフが定期メンテナンスを行なうため、いつでも快適な空気環境を維持することが可能です。
【クリーンエア・スカンジナビアの飲食店における分煙キャビンの導入事例】
◇和来路
住宅街の1階に飲食店があるため、お客様が店の前で喫煙されると、近隣の方や通行人の方にご迷惑をかけてしまっている状況がありました。
店舗内にクリーンエア・スカンジナビアの4人用分煙キャビンを設置したことで、周囲への煙や臭いの漏れがなく、清掃も不要になりました。
◇和食えん 汐留店
他店舗では既にクリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンを利用しており、2019年に汐留店にも4人用のキャビンを導入しました。入口に向けて延びるスロープの影響で、設置場所にはわずかに傾斜がありましたが、問題なく設置できました。
分煙キャビンを設置してからは、タバコの煙が一切漏れず、衣類や髪の毛へのにおいの付着がなくなり、お客様からはもちろんスタッフからも好評です。手入れもキャビン内の灰皿の周りを拭く程度で済むため、現場の負担が少なく非常に助かっています。
◇Prime 42 BY NEBRASKA FARMS(株式会社ペッパーフードサービス)
導入以前は、喫煙者と非喫煙者の座席エリアを分けていましたが、空調の関係で非喫煙者のエリアにたばこのニオイが漏れるなどの問題がありました。そこで、インターネットで分煙キャビンの情報を収集し、導入先が多いクリーンエア・スカンジナビアの製品を選びました。
導入後に最も驚いたのは、日々のメンテナンスが楽ということです。テーブルの上の灰を拭き取るだけできれいになり、パネルに汚れが残ることもありません。さらに、店内に喫煙場所を設けることで、喫煙者と非喫煙者が共存できる環境を整えることができ、これまでなかった喫煙者と非喫煙者のコミュニケーションも生まれるようになりました。
まとめ
カフェに喫煙ブースがあれば、喫煙者の利用を促せるほか、非喫煙者の受動喫煙も防げるようになります。喫煙者と非喫煙者が共存できる環境をつくることで、集客率アップや売上アップも期待できるため、ぜひ設置を検討してみてください。
喫煙室の種類や技術的基準も押さえつつ、お店の性質に合った喫煙ブースを設置しましょう。
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