オゾンの活用分野とは?気になる安全性や空気清浄機の違いを解説
オゾン発生器と空気清浄機は役割や機能が大きく異なります。そのため、目的に合わせて正しく選択・使用しなければなりません。
そこで今回は、オゾンの概要やおもな活用分野や気になる安全性を紹介し、オゾン発生器と空気清浄機の違いについて解説します。さらに、安全性が高いおすすめの空気清浄機も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
オゾンとは
「オゾン」という言葉は誰もが一度は聞いたことがあると思いますが、その性質や効果まで詳しく知っているという方はそう多くないでしょう。そこで、まずはオゾンの概要をまとめました。
・オゾンの性質
オゾンを分子記号で表すと「O3」ですが、これは酸素原子(O)が3つ集まって構成されていることを示しています。人間が生きていくうえで欠かせない酸素(O2)と比較すると、原子同士の結合エネルギーが弱いため、酸素(O2)と酸素原子(O)に分裂しやすいのが特徴です
オゾンは濃度が低いと無色無臭ですが、高濃度になると薄い青色へと変化し、なおかつ若草のような特有のニオイを放ちます。
・自然界のオゾン層
オゾンは大気中にも含まれていますが、人間が暮らす環境下での濃度は薄く、人体への影響はほとんどないといわれています。大気中におけるオゾンのおよそ90%は上空10~50kmの成層圏に存在し、ここがいわゆる「オゾン層」と呼ばれるゾーンにあたります。オゾン層内の濃度は一定ではなく、上空25km付近が最も高濃度だといわれています。
オゾン層は太陽が発する有害な紫外線をカットし、地球上のあらゆる生命体を守る大切な役割を担っています。しかし、近年は人間が生み出したフロンやハロンといった物質により、オゾン層の破壊が進んでいることが世界中で問題視されています。
・オゾンの殺菌効果
オゾンは酸素(O2)に変化する過程で酸素原子(O)を放出しますが、この酸素原子は強力な酸化力を持っており、多くの物質に対して酸化反応を起こします。その際、細菌の細胞膜を酸化させて菌を溶かしたり、ウイルスのDNAやRNAを破壊したりするため、殺菌効果を発揮するといわれています。
さらに、オゾンの殺菌スピードは塩素の約3,000倍と極めて速いので、短時間で殺菌することができます。また、オゾン自体は気体なので、手が届きにくい場所の浮遊菌や付着菌への殺菌にも役立てられます。
・オゾンの脱臭効果
オゾンが放出する酸素原子は、悪臭を生んでいるニオイ成分も酸化させます。悪臭を和らげるだけの芳香剤や消臭剤と異なり、オゾンはニオイ成分自体を酸化反応によって素早く分解するため、原因を根本から断つことができるとされています。
オゾンの活用分野
オゾンは高い殺菌効果・脱臭効果を持っていることから、さまざまな分野で活用されています。本章では、その一例を紹介します。
・食品保持
サルモネラ菌や黄色ブドウ球菌が引き起こす食中毒は、食品工場や飲食店において最も避けたいトラブルの一つです。食中毒が起こると健康被害が生じるだけではなく、企業や店舗の信用も失墜してしまいます。
オゾンは食中毒の原因となる細菌やウイルスを破壊できるため、殺菌方法として非常に有効です。さらに、オゾンは野菜や果物から分泌されるエチレンという成熟を促すホルモンを分解できるので、鮮度保持の効果にも期待できます。
・水族館・動物園の殺菌
水族館・動物園で生きる動物たちの健康を守るためには、水槽やケージをきちんと掃除するのはもちろん、殺菌処理も行なう必要があります。飼育環境によっては薬剤などが使えない場合もありますが、オゾンなら比較的導入しやすいうえ、スピーディーに殺菌することが可能です。
またオゾン水を流すことで、悪臭やヌメリなども取り除けるので、清潔な飼育環境を実現できます。
・下水道の殺菌・脱臭
下水道を流れる汚染された水をそのまま河川に放流すると、深刻な環境破壊の原因になるおそれがあります。そのような事態を避けるため、下水処理のプロセスにもオゾンが活用されています。
オゾンによる下水処理を実施すれば、水を殺菌できるだけではなく、余剰汚泥の発生量を抑えたり、水を脱色して透明にしたりすることが可能です。
・室内空気の清浄
室内にオゾン発生器などを設置すれば、空間を漂う細菌や浮遊ウイルス、付着ウイルス、ニオイ成分を酸化反応によって除去することができます。その結果、空気が浄化され、快適な空間を作り出せる可能性があります。
細菌やウイルスが減少すれば、病気や感染症にかかるリスクも抑えられます。
しかし、オゾンやオゾン発生器の利用には危険が伴います。詳細をみていきましょう。
オゾンの危険性
ここまで、オゾンの活用分野を紹介してきました。
多くの分野で活用されていることがわかりますが、オゾンは殺菌力が強く脱臭効果も高い反面、取り扱いには細心の注意が必要です。特にヨーロッパ各国では、オゾンは「危険なもの」とされており、低濃度であっても人体に有害であるという認識が一般的です。
社団法人 日本産業衛生学会は、作業環境基準としてのオゾンの許容濃度を0.1ppm(※1)までと定めています(※2)。
しかし、利用台数や換気条件によっては許容濃度を超えてしまう可能性があるため、オフィスや医療機関でオゾン発生器を用いる際には、人がいない場所にのみ使う、といった配慮が必要となるでしょう。殺菌効果や脱臭効果を求め、むやみに設置するのは控えるよう注意してください。
オゾン発生器と空気清浄機の違いは?
ここでは、オゾン発生器と空気清浄機は何が違うのか、役割や機能を踏まえながら解説します。
・オゾン発生器は殺菌と脱臭が可能だが健康被害のリスクがある
オゾン発生器はその名のとおりオゾンを生成・放出し、そのオゾンの酸化反応によって殺菌や脱臭を行なう機器です。空気中を漂う細菌やニオイ成分はもちろん、人の手がよく触れる家具類やドアノブに付着しているものも含めて除去できるため、空間全体がきれいになります。
しかし前述の通り、オゾン濃度が高すぎたり、直接多量に吸い込んだりすると、鼻や喉への刺激、頭痛や息苦しさを感じる可能性もあるので、取り扱いには危険が伴います。
昨今流行している新型コロナウイルス感染症において、ウイルス対策にオゾン発生器を用いている方もいるかもしれません。オゾンの安全性については諸説あります。ただし厚生労働省は、物品のウイルス対策には塩素系漂白剤や一部の家庭用洗剤などの利用を推奨し、空間のウイルス対策にはあくまでも換気を推奨しています(※3)。
・空気清浄機は粉塵除去が可能で安全に使用できる
次に、空気清浄機について解説します。
空気清浄機はその名のとおり、空気をきれいにするための機器です。ファンを使って室内の空気を吸い込み、内部のフィルターでほこり・花粉・ハウスダストなどの粉塵を除去してから、再び空気を送り出すというのが基本の機能です。
アレルギー物質や花粉の除去を目的とする場合は、オゾン発生器より空気清浄機のほうが適しているでしょう。また、人や動物がいるかどうかを問わず、どのような環境でも安全に使用できることも空気清浄機のメリットです。
空気清浄機はオゾンのような強力な物質を作り出すことはないものの、種類によっては、特殊なフィルターなどを使用して細菌やウイルスをキャッチできる高機能なものもあり、十分な効果が期待できます。
【細菌・ウイルスも捕集!】おすすめの空気清浄機
最後にクリーンエア・スカンジナビアが販売している、おすすめの空気清浄機を紹介します。
・QleanAir FS 30 HEPA
静音性に優れている空気清浄機です。オフィス・医療施設・学校の教室など、特に静けさが求められる場所に適しています。微粒子レベルの粉塵も捕集できる「HEPA14フィルター」をプレフィルターと併用しているため、細菌・ウイルスの捕集が可能です。
オーガニック素材を使って吸着捕集するため、安全性が高いという点もポイントです。
・QleanAir FS 70
毎時2,000立方メートルの処理風量に対応している空気清浄機です。広いスペースの空気もしっかり循環させることができるため、大型のオフィスや医療施設でも問題なく使用できます。こちらも「HEPA14フィルター」を搭載しています。
安全に利用できる空気清浄機を、この機会に利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
強い殺菌・脱臭効果があるオゾンは、食品工場や飲食店のほか、動物園、下水処理施設など、さまざまなシーンで幅広く活用されています。
しかし、オゾンの安全性については諸説あり、万が一の場合人体に被害が及ぶ可能性があります。ヨーロッパでは、「オゾンは危険な物質」と認識されているという事実も知っておいて損はないでしょう。厚生労働省は新型コロナウイルス感染症の対策として他の方法でのウイルス対策を推奨しています。
目的と用途に合わせて利用を検討する必要があることを押さえておきましょう。
自社内のオフィス、工場、倉庫、喫煙室などの空気環境にお悩みの方には、クリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機がおすすめです。
機能と安全性を兼ね揃えた空気清浄機の導入を、ぜひご検討ください。
くわしくはこちら
※1 ppmとは濃度の単位で、1ppm=1mg/L
※2日本産業衛生学会 「許容濃度等の勧告(2020年度)」3ページ
https://www.sanei.or.jp/images/contents/309/kyoyou.pdf
※3 参考:新型コロナウイルス対策ポスター「新型コロナウイルス感染症対策 消毒や除菌効果を謳う商品は、目的に合ったものを、正しく選びましょう。」
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_system_20200626_01.pdf
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