飲食店の厨房に必要な設備や備品は?レイアウトを考えるうえでのポイントも紹介

2024.4.26 空気環境

飲食店の厨房に必要な設備や備品は?レイアウトを考えるうえでのポイントも紹介

飲食店を開業するには、厨房設備を整えたり、備品をそろえたりする必要があります。飲食店ごとに必要なものは異なりますが、今回は厨房に欠かせない基本的な設備や備品をはじめ、レイアウトを考える際のポイントを解説します。厨房に必要な換気設備についても紹介するので併せてご覧ください。

飲食店の厨房に必要!おもな設備



厨房に必要となる基本的な機器には、以下のような種類があります。


◇調理台
調理台は、食材の切り分けや調理器具の配置、料理の盛り付けなど、多くの作業を行なう重要なスペースです。そのため、調理台を選ぶ際には使いやすさを重視することをおすすめします。調理台には「スノコ板付き」、「引き出し付き」、「引き戸付き」などのタイプがありますが、スタッフの身長なども考慮して、適切な高さ・広さのあるものを選びましょう。
素材については、錆びづらく手入れがしやすいステンレス製が一般的です。


◇コールドテーブル
作業台と冷蔵庫・冷凍庫が一体化しているものをコールドテーブルといいます。コールドテーブルは、作業台となる天板の下部に冷蔵庫や冷凍庫が設置されている便利な機器です。スペースの有効活用ができるため、特に小規模な飲食店や厨房が狭い物件などに適しているでしょう。
コールドテーブルを設置すると作業がスムーズになるうえ、冷菜などを提供直前まで冷やせるメリットもあります。


◇冷蔵庫と冷凍庫
こちらは独立型の冷蔵庫・冷凍庫です。コールドテーブルと併用すると、すぐに使用する食材はコールドテーブルに入れ、保存用の食材は独立型のほうに入れるなど、便利な使い分けができます。
冷蔵庫・冷凍庫を購入する際の大切なポイントは、飲食店の規模やストックする食材の量に対して最適なサイズを選ぶことです。容量が大きすぎると電気代が高額になり、逆に小さめのものだと食材の保管ができなくなるなど、効率が悪くなってしまいます。
その他、扉の大きさや数を確認することも大切です。厨房の通路の幅に扉の大きさが合わなければ、扉の開閉がしづらくなるでしょう。


◇製氷機
製氷機を設置すると業者から氷を仕入れる手間が省けるうえ、必要なときに必要な量をすぐに使用することができます。製氷機を購入するときには、店舗の規模や設置スペースに合わせて適切なサイズを選んでください。ただし、製氷能力は製氷機の大きさによって異なるため、店舗の座席数や、氷を最も多く活用する夏場の製氷量などを基準にして選ぶことをおすすめします。


◇シンク
業務用のシンクには、1槽、2槽、3槽などのタイプがありますが、飲食店の厨房に設置するシンクは、保健所の規定を満たすものでなければなりません。規定内容は各地域によって異なるため、シンクを選ぶ際には、事前に保健所に内容を確認することが大切です。


◇ガスレンジ・ガステーブル
ガスレンジとは、ガスオーブンとガスコンロが一体化したもので、ガステーブルの下部にオーブンが付いています。
ガステーブルやガスコンロの大きさ、五徳のサイズ、火力などを確認して、設置スペースに合うものを選びましょう。


◇食器棚
食器棚にも保健所の規定があり、以下のような条件をすべて満たす必要があります。
● 扉付きのものを1台以上設置すること
● 衛生的(ホコリが溜まりにくいなど)で掃除がしやすいこと
● 防錆加工が施されていること
● すべての食器を収納できること

なお、扉が付いていない食器棚は、一時的な保管用であれば使用が認められています。ただし、棚の位置などに設置基準があるため、食器棚と合わせて規定を確認しましょう。

飲食店の厨房に必要な備品

厨房には機器のほかに調理器具も必要です。調理器具には多くの種類がありますが、ここでは基本的なものを紹介します。


◇包丁・まな板
まな板には、木製・プラスチック製・ゴム製といった種類がありますが、包丁との相性(刃当たりの良さなど)や、手入れのしやすさを確認して購入することが大切です。


◇ボウルやザル
用途に合うサイズで、なおかつ水切れや手入れがしやすいものだと作業がしやすくなるでしょう。


◇鍋・フライパン
鍋やフライパンには数多くの種類があり、サイズも大小さまざまです。鍋やフライパンは素材ごとに熱伝導性や耐久性、お手入れ方法などが異なります。用途に合わせてふさわしいものを選びましょう。


◇食器
食器には、料理の見た目やおいしさを引き立てる効果があり、大きさ・色・デザインによって料理の視覚効果が変わります。提供するメニューや食材の色に合わせて、見た目の印象が良くなるような食器を選ぶとよいでしょう。


◇カトラリー
カトラリー(フォーク・ナイフ・スプーン・箸など)は、食器に合うデザインで、なおかつ口当たりが良いものをそろえましょう。


◇調味料入れ
塩や砂糖は湿気や乾燥によって固まることがあるため、密閉性の高い容器がおすすめです。醤油やオイルなどの液体調味料入れは、液だれがしにくいものにすると使いやすくなります。調味料入れは統一感を重視すると、見た目もすっきりするでしょう。

飲食店の厨房、レイアウトはどうすべき?



厨房のレイアウトは、作業効率にも影響する重要な要素です。作業効率の良し悪しは、売上にも関係するといわれています。
飲食店の厨房を設計するうえで、考慮するべきポイントを紹介します。


◇保健所の要件をチェック
飲食店の開業には保健所の営業許可が必要です。営業許可を得るためには、営業許可申請を行ない、さらに保健所による審査・検査を受け、定められている要件をすべてクリアしなければなりません。保健所が、店舗や厨房設備の衛生面・安全面を判断するための要件はさまざまあるため、それらを確認したうえでレイアウトを決めることが大切です。


◇水道、ガス、電気の場所をチェック
厨房のレイアウトを決める際には、水道・ガス・電気の位置確認はとても大切です。位置確認を怠ると、のちにレイアウトの変更や追加工事などが必要になることがあり、余分な費用が発生することになります。


◇動線を考える
最小限の動きで、効率的に調理ができるようなレイアウトが理想的です。調理を提供するまでの作業がスムーズになるように、厨房機器の配置には十分注意しながらレイアウトを考えてみてください。また、料理を運ぶスタッフと片付けをするスタッフがぶつからないような動線を意識することも大切です。


◇厨房の形の決定
厨房の形には、直線型・L字型・二列型・アイランド型の4タイプがあるため、店舗に最適なものを選んでください。4タイプのそれぞれの特徴は以下のとおりです。

・直線型
動線が直線的で、必要最低限の厨房設備が一列に並んでいるタイプです。I型とも呼ばれています。直線型は、厨房と客席の距離が近い小規模な飲食店に適しており、接客と調理の同時進行が可能です。

・L字型
その名のとおりL字型をしたキッチンで、作業台やシンク、ガスコンロなどが壁に沿って並べられています。直線型よりも広いスペースが必要ですが、そのぶん多くの機器が導入できます。

・二列型
シンクとガスコンロが2列に分けて配置されている厨房です。ホテルのレストランやファミリーレストランのような、一度に大量の注文を受けて調理する飲食店に適しています。十分なスペースが必要ですが、多くのスタッフで分担しながら効率的に作業ができます。

・アイランド型
メインキッチンとは別に、ダイニングフロア内に厨房がレイアウトされたタイプです。メインキッチンで食材の仕込みや調理を行ない、アイランドキッチンで仕上げるようなイメージです。焼き鳥店や居酒屋、ビュッフェレストランなどに適しています。


◇清掃・換気のしやすさ
厨房を清潔に保つために、掃除がしやすいレイアウトにすることも重要なポイントです。厨房機器や調理器具の収納庫を隙間なく並べると、ゴミやホコリなどが入りにくくなり、掃除がしやすくなります。機器の間に隙間ができる場合には、ステンレス板などを活用するとよいでしょう。
また、客席に蒸気や臭いなどが流れないように、換気設備も必要です。


◇屋外排気への考慮
厨房から発生した油や煙は、窓や換気扇を通過して屋外へと排気されます。しかしながら屋外への排気は、臭気が近隣からのクレームになったり、油煙が火災の原因になったりと、さまざまなリスクを抱え、店舗移転や閉店などを強いられるケースにもつながります。これらのことから、屋外排気への考慮が必要で、その対策として油煙除去装置等の設置が大切となります。

飲食店にクリーンエア・スカンジナビアのQleanAir ESP

クリーンエア・スカンジナビアの「QleanAir ESPシリーズ」は、飲食店の厨房から発生する油煙の屋外排気に対処するための効果的な電気集塵機です。電気集塵機はイオナイザーと集塵プレートで構成されており、調理中の厨房から発生する油煙を捕集・除去し、きれいになった空気を屋外へと排出します。

その他、QleanAir ESPシリーズには次のような特長があります。
● 油・煙の粒子を最大99%除去
● ダクト内の油脂の蓄積を大幅に削減
● 屋外にも設置可能
● 省エネルギー(60Wを超えない消費電力)
● 定期的な清掃やメンテナンスはメーカーが対応

QleanAir ESPには「QleanAir ESP 1500」、「QleanAir ESP 3000」、「QleanAir ESP 4500」、「QleanAir ESP 6000」の4タイプがあり、店舗の規模に合わせて適切なものをお選びいただけます。どのタイプもダクトにインラインで取り付けができるため、工事の手間が少なく、設置スペースも最小限に抑えることが可能です。

本製品の詳細は、こちらのページで確認できます。
QleanAir ESPシリーズ

まとめ

飲食店を開業するには保健所が定める要件をすべてクリアして、営業許可を得る必要があります。厨房設備やレイアウトにはさまざまな規定があるため、事前に保健所に確認しましょう。
また、クリーンエア・スカンジナビアの電気集塵機「QleanAir ESP」は、飲食店の衛生対策に効果的です。厨房の臭い対策にも役立つため、導入のご検討をおすすめします。