飲食店におけるダクトの必要性と工事や清掃にかかる費用について解説
飲食店にはダクトの設置が必須です。ダクトがないと煙や臭気が周囲に漏れ、店内のお客様や近隣に迷惑がかかるためです。また、飲食店のダクトには、法律で設置義務があるものもあります。
この記事では、飲食店でダクトの設置が必要な理由やダクトの種類、ダクト内の送風機の種類、工事費用や清掃方法などを解説します。
飲食店ではダクトの設置が必要な理由
ダクトとは、給気や排気のためにビルの内部や屋外に設置された空気の通り道です。飲食店の換気扇と屋外の排気口を接続するなどして屋内の空気を排出し、快適な空間を維持するために必要な設備です。
ダクトがないと煙や臭気が周囲に漏れてしまい、お客様や近隣に迷惑がかかるだけでなく、従業員が働きにくくなり作業効率が低下します。そうした点からも、飲食店をオープンする際にはダクトの設置は必須といえます。
また、飲食店のダクトには空調ダクト、排煙ダクト、排気ダクト、換気ダクトなど数種類ありますが、例えば排気ダクト・換気ダクトは設置が義務となっています。
ダクトの種類と役割
飲食店でおもに使われているダクトは4種類です。
・空調ダクト
・排気ダクト・換気ダクト
・厨房排気ダクト
・排煙ダクト
ここでは、それぞれの役割を紹介します。
◇空調ダクト
空調ダクトは、温度と湿度を調整する役割を果たします。特定の場所へ送風する際にも用いられます。
◇排気ダクト・換気ダクト
排気ダクトは一方的に空気を排出する役割を果たします。一方、換気ダクトの機能は空気を取り入れ、排出するものです。
排気ダクト・換気ダクトは法律で設置が義務付けられているため、どの飲食店にも必ず設置されています。
◇厨房排気ダクト
厨房排気ダクトは、調理時の煙や油、水蒸気などの汚れた空気を排出する役割を担います。一般的に油分除去装置、火災延焼防止装置、集煙フードなどを利用します。厨房のある場所には必ず取り付けるダクトです。
◇排煙ダクト
排煙ダクトは、火災時に煙を排出する役割を果たします。日常的には使用されませんが、火災の際に有害な煙を建物の外に排出してスムーズな避難を助けるなど重要な役割を担います。一定の規模の建物には設置義務があるダクトです。
ダクトで重要な送風機の種類
送風機(ファン)とは、モーターを回転させて空気にエネルギーを与え送り出す装置です。送風機はダクト内でも欠かせない装置で、大きく以下の4種類に分けられます。
・遠心式送風機
・軸流式送風機
・斜流式送風機
・横流式送風機
ダクトの送風機には業態ごとに適したものがあります。ここでは、それぞれの送風機を紹介します。
◇遠心式送風機
遠心式送風機は、ファンの円形部(軸方向)から空気を取り込み、遠心力で横の羽へ、軸に対して直角に空気を送り出します。代表的な遠心式送風機は、厨房のレンジフードなどで使われているシロッコファンなどです。
風圧が強く、ラーメン店、中華料理店などの重飲食業界に適しています。
◇軸流式送風機
軸流式送風機は、正面(軸方向)から空気を取り込み、そのまま平行に空気を送り出すものです。代表的な軸流式送風機は、壁に設置されたプロペラファン(一般換気扇)などです。
一般住宅で見かけられることが多く、風圧は強くないため重飲食業界には適しません。空調設備のダクト内で中継として使われることがあります。
◇斜流式送風機
斜流式送風機は、正面(軸方向)から空気を取り込み、軸に対して斜めの方向に空気を送り出します。遠心式と軸流式の中間のような構造で、ダクトの中継ファンとして多く使われています。
◇横流式送風機
横流式送風機は、軸を渦巻状に巻き込むようにして空気を取り込むものです。家庭用のルームエアコンでよく使われ、横方向や縦方向に広い幅で空気を送り出すのに適しています。
ダクトを設置する際の費用相場
飲食店におけるダクトの設置費用は、店舗の広さや業態によってさまざまです。相場としては5万円~300万円と幅広く、ダクトの種類や設置箇所、設置距離などで金額が大きく変わってきます。
ダクトを設置する際の注意点
飲食店では、店舗の広さや業態によって設置すべきダクトが変わります。業者によって内容や料金はさまざまなため、複数の業者に見積もりを依頼して比較検討し、見極める必要があります。
業者を選ぶ際はダクト工事の実績が多い業者を探し、見積もりを確認する際はどの工程にどのくらいの金額がかかるのか、事前に問い合わせして確認することが大切です。
ダクト工事費を抑えるためのポイント
ダクト設置の際の工事費は、建物の物件選びの時点である程度決まってきます。ここでは、ダクトの工事費を抑えるポイントを紹介します。
◇階数が高くなるほどダクト工事費は高くなる
建物の階数が高くなるほど、一般的にダクトの工事費は高くなります。例えば、ダクト管を引き上げる際、1階上がるごとに20~30万円かかるといわれています。ダクト工事費を抑えるためにはできるだけ低層階を選ぶのがポイントです。
◇居抜き物件を選ぶ
居抜き物件を選べば、もともと利用されていたダクトをそのまま使えるため、大幅に費用を削減できます。しかし、ダクトが故障している場合も多いことから、現状を確認する、使用前に点検・清掃を怠らないようにするなどの対応が必要です。
ダクトの清掃方法
飲食店は一般的に営業時間が長く、営業中は換気扇が稼働し続けることから、煙や蒸気などに含まれる油がダクト内を通ることで頑固な汚れがこびりつきます。そのため、ダクトを定期的に清掃すると、火災予防や害虫予防、悪臭除去、節電などのメリットがあります。
ここでは、ダクトの清掃方法を紹介します。
◇ダストストリーム工法
ダストストリーム工法は、室外の換気口に集塵機を取り付け、建物の内部から外部に向かってダクト内にブラシを挿入し、内部の汚れを落とす方法です。まずホコリや汚れを落とし、そのあとに油汚れを重点的にかき取る、油除去用の薬剤で溶かすなどして、ダクト内を清掃します。最後に、高圧洗浄で油汚れを取り除きます。
ダクトストリーム工法では比較的小さな機械を用いるため、小規模ビルのダクトにも適した清掃方法です。
◇ダクトビート工法
ダクトビート工法は、大型の掃除機のような専用の機械を使い、ダクト内のホコリや汚れを吸い込んで取り除く方法です。工場などの大型の換気ダクトを清掃するときに行ないます。
臭気対策にクリーンエア・スカンジナビアのQleanAir ESP
飲食店で店内や近隣への臭気対策を行なうには、業態に合ったダクトを設置し、定期的にダクト内を清掃することが大切です。しかし、予算の都合などでこれらの方法が十分に採れない場合もあるでしょう。
そうしたときには、飲食店の厨房内で発生する油・煙の粒子を除去し、きれいな空気として排出するクリーンエア・スカンジナビアの厨房用電気集塵機(ESP)がおすすめです。
QleanAir ESPシリーズは、イオナイザーと集塵プレートで構成される電気集塵機をプレフィルターとアフターフィルターで挟み、そこに厨房内の汚れた空気を通すことで、油・煙の粒子を除去してきれいな空気として排出します。
0.01ミクロンの微小な粒子を最大99%除去でき、油・煙の量に応じてユニットを組み合わせて使えるため、排気口から排出される空気の臭気対策を効率良く行なえます。小規模な飲食店ではお手頃な価格で導入できるほか、大型飲食店にも対応可能です。定期的な清掃やメンテナンスはメーカーが行なうため、導入後も手間がかかりません。
本製品の詳細は以下のページでご確認ください。
QleanAir ESPシリーズ
まとめ
飲食店で屋内の空気を排出し、快適な空間を維持するためにはダクトの設置が必要です。ダクトがなければ、煙や臭気が店内や近隣に漏れてしまい迷惑がかかります。また、飲食店でおもに使われているダクトは4種類ですが、そのうち排気ダクト・換気ダクトは設置が義務となっています。
モーターを回転させて空気にエネルギーを加え、送り出す送風機はダクト内でも欠かせない装置で、こちらも4種類に大別されます。業態ごとに適したものが異なるため、状況に応じて選定しましょう。
飲食店におけるダクトの設置費用はさまざまですが、相場は5万円~300万円と幅があります。ダクト設置の際の工事費を抑えるためには、建物の物件を選ぶ際にできるだけ低層階を選ぶ、もともとダクトが設置されている居抜き物件を選ぶなどがポイントです。
ダクトは設置すれば終わりではなく、定期的に清掃することで火災予防や害虫予防、悪臭除去、節電などのメリットがあります。清掃方法にはダストストリーム工法、ダクトビート工法があるため、建物の規模に応じて選ぶとよいでしょう。
飲食店で店内や近隣への臭気対策を行なうには、油・煙の粒子を除去し、きれいな空気として排出するクリーンエア・スカンジナビアの厨房用電気集塵機、QleanAir ESPシリーズの導入がおすすめです。ぜひこの機会にQleanAir ESPシリーズをご検討ください。
QleanAir ESPシリーズ
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