空気環境について

2021年5月28日

工場の空気は汚染されている?工場内の対策や各業界の取り組み

工場から外に排出される物質については、極力人に対して有害となるものを含まないよう、法に基づき配慮が義務付けられています。しかし、工場の中でもたくさんの人が仕事をしています。工場内の空気には、どのような物質が含まれているのでしょうか。
この記事では、工場内の空気に含まれると考えられる物質についてご説明し、工場内の空気をクリーンな状態に保つ工夫についてもご紹介します。

工場の空気中に浮遊する可能性のある物質

工場内の空気中に浮遊する可能性のある物質には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、工場内に浮遊する可能性のあるさまざまな物質ついてご紹介します。

・ばいえん
ばいえん(煤煙)とは、燃料などの物質を燃やした際に発生する煤(すす)を含んだ煙を指します。ばいえんに含まれるおもな成分は硫黄酸化物、ばいじん、そして一酸化炭素をはじめとする有害物質です。

・粉塵
工場での操業にともなって排出される一般粉塵および特定粉塵です。ちなみに特定粉塵とはアスベストから成る粉塵を指し、一般粉塵はアスベスト以外の粉塵を指しています。

・揮発性有機化合物
揮発性有機化合物は、その英訳「Volatile Organic Compounds」の頭文字を取って「VOC」とも呼ばれます。塗料やインク、接着剤、洗剤、ガソリン、シンナーなどが含むトルエンやキシレン、酢酸エチルなどを指しますが、一般的には「有機溶剤」の総称と考えると分かりやすいと思います。また、光化学スモッグ発生の原因となる物質の1つであることが分かっています。

・特定物質
大気汚染防止法で指定されている28種類の物質で、物の化学的な合成や分解によって発生する物質のうち、人の健康や生活環境に被害を及ぼす可能性があるとされるものです。アンモニアやホルムアルデヒド、硫化水素などが特定物質として指定されています。

・有害大気汚染物質
大気汚染防止法で「低濃度であっても長期的な摂取により健康影響が生ずるおそれのある物質」として定められている23種類の物質です。ベンゼンやトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどが指定されています。

工場の空気の換気

工場内の空気にも有害物質が含まれている可能性があるため、立ち入る人の健康被害を避けるため工場では適切な換気が実施されている必要があります。ここでは、工場内の空気の換気についてご説明します。

・換気の回数
工場で実施されている換気の回数は各工場によって異なりますが、工場内を安全な状態に保つための最小限の基準として建築基準法で換気に関する規定がされています。それによると、「人1人の活動に必要な空間」と「人の呼吸量」で計算した「必要換気量」を工場の広さで割って、必要な換気回数が求められます。
工場の必要換気量の例を挙げると、もっとも頻繁な換気が必要なメッキ工場では1日あたり「15回から30回」となっています。また鋳造工場では「10回から30回」、自動車整備工場では「8回から12回」が必要な換気回数の目安です。あくまでこちらは最小限の基準ですから、各工場においてこの回数を満たしながら、それ以上の換気を行うことが求められるでしょう。

・換気の方法
工場における換気の方法は複数ありますが、ここでは効果的な換気が行えるとされる2種の方法についてご説明します。

1.局所換気
特定の箇所から排出されるガス(空気より軽いもの)の換気に有効な方法です。空気よりも軽いガスの特性から、排出されたガスを排気口で吸入して水で流す手法です。この方法で水に溶けたガスを処理施設で含有物質と水に分解してから廃棄を行います。

2.プッシュプル換気
施設の構造上、局所換気を設置できない場合に有効な換気方法です。有害物質の発生源を挟んで吸い込み要と吹き出し用の装置を設置し、吹き出す力を利用して空気の流れを変え、吸い込み装置まで押し出します。

3.置換換気
熱を発生させる設備を備えた工場で有効な換気の方法です。工場内に空気の流れを作って、発熱にともなって発生した有害物質を含む空気を室外に出すと同時に、新鮮な空気を室内に取り入れます。空気の流れによって、工場内部に有害な空気を溜めない換気方法です。

4.希釈換気
工場内に拡散した有害物質の濃度を希釈する換気の方法です。きれいな空気と汚染された空気の混合希釈を繰り返しながら吸引されます。新鮮な空気の取り入れ口が確保できる工場に適しています。

大気環境改善に関する取り組み

さまざまな業界において、大気環境改善に向けた取り組みが行われています。ここでは、各業界の大気汚染に対する改善への取り組み事例をご紹介します。

・建設業
建設工事の際に回避が難しい粉塵の排出や、騒音・振動への対策を講じて周辺環境に配慮しています。特に、アスベストを使用した建築物の解体工事を実施する際は、必ず都道府県へ届出を行っています。
また、その工事に従事する作業員に対しても、ばく露(有害物質を浴びること)を防止する対策を義務付けています。またアスベストが飛散しないよう養生を行い、作業現場を負圧に保つなどの具体的な対策も行います。

・物流業
物を輸送する自動車や船、鉄道や航空機などは燃料によって大気汚染物質を発生させてしまいます。物流業界においては、大気汚染物質排出基準へ適合を図るため、低公害車などを導入して対策にあたっています。
また、輸送手段自体を鉄道や船舶に転換すること(モーダルシフト)で環境負荷を抑え、二酸化炭素(CO2)・窒素酸化物(NOx)などの排出を減らす取り組みも実施しています。

・製造業
製造工場での操業にともない「ばいえん」が発生しますが、その排出は大気汚染防止法による規制がされています。工場では大気汚染物質を除去するため、空気中の粒子状物質(PM)を分離除去する「集じん装置」を導入しています。
また、排出ガス中の硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)は、排煙脱硫・排煙脱硝などの技術によって削減するなどの対策も行っています。

参考)https://www.erca.go.jp/yobou/taiki/kangaeru/effort/05.htmlp

工場の空気も清浄に~クリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機QleanAir FS 70 HEPA~

工場内に浮遊する粉塵の効果的な除去には、空気清浄機の導入もおすすめの方法です。クリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機「QleanAir FS 70 HEPA」の特徴をご紹介します。

・高性能なHEPA-14粉塵フィルター
QleanAir FS 70 HEPAでは、欧州フィルター規格「EN1822」の「H14」グレードをクリアした「HEPA 14フィルター」を使用。特に空気が清浄でなければならない手術室のような室内でも、大気汚染物質から細菌・ウイルスのような極小物質の浮遊を抑制できます。
HEPA 14フィルターは、「MPPS」と呼ばれる、大きさ0.1µm~0.2µmの捕集困難な粉塵も99.995%以上の濾過効率を実現。MPPSよりも大きい粒子または小さな粒子に対しても、高い濾過効率を発揮します。

・「空気の品質」を長期にわたり保証
QleanAir FS 70 HEPAは、専門家による適切な製品管理で長期間効果的に空気を浄化できることをお約束します。製品であると同時に、長い期間の性能保証を備えた「サービス」でもある点が、クリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機の大きな特徴です。
サービス料金には代金のほか、設置費用、定期メンテナンス費用やフィルター交換費用なども含んでいます。換気システム不問で自由度の高い設置ができ、取り付けも200V 3P電源ソケットで簡単。機器の移動が必要になっても、すぐに柔軟な対応ができます。(100Vの場合別途ご相談ください。)

・処理風量
一般的な空調機器は製品自体の劣化やフィルターの消耗により購入時の性能を維持することは困難ですが、QleanAir FS 70 HEPAは、フィルターの詰まり具合を感知して自動的にコントロールすることで、常に2,000m3の空気を浄化します。また、フィルターのグレードを変えることで3,000m3 にすることも可能です。

まとめ

工場の操業にともなう粉塵の排出は避けられませんが、換気をはじめとするさまざまな対処法で有害物質を除去することは可能です。昨今はあらゆる建物で新たな生活様式にともなう換気が推奨されているタイミングでもあり、クリーンな空気を保つ取り組みについて見直しを図る良い時期でもあります。
ぜひ換気の励行と空気清浄機の適切な稼働を組み合わせ、工場内の空気をきれいな状態に保つ工夫について一考してみてはいかがでしょうか。

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