エアロゾル感染とは?飛沫感染との違いや新型コロナウイルス感染予防の注意点

2021.9.28 空気環境

エアロゾル感染とは?飛沫感染との違いや新型コロナウイルス感染予防の注意点

新型コロナウイルス関連の話で、「エアロゾル感染」という言葉を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

しかし、ニュースなどで聞いたことがあっても、飛沫感染などとの違いがよくわからず、どのような対策が必要か気になっている方もいるでしょう。

そこで本記事では、エアロゾル感染とは何かをわかりやすく解説したうえで、エアロゾル感染を含めた新型コロナウイルス対策を紹介します。エアロゾル感染への正しい知識を身に付け、自宅や職場で新型コロナウイルス対策を徹底したい方は、ぜひご覧ください。

エアロゾル感染とは?

そもそも「エアロゾル」が何かというと、空気中を浮遊する微小な粒子の総称です。粒子のサイズは0.001μmから100μmと、種類によって大きく異なります(1μmは1mmの1,000分の1のサイズ)。黄砂、花粉、アスベストなども、エアロゾルの一種です。

つまり、エアロゾル感染とは、病原体を含んだエアロゾルが引き起こす感染のことを指します。エアロゾルは、長いと3時間ほど空気中に浮遊する可能性があるため、エアロゾル濃度の高い密閉空間では、感染のリスクが懸念されます。

◇エアロゾル感染と飛沫感染に違いはある?
エアロゾル感染と混同しやすいものに「飛沫感染」がありますが、両者には違いがあるのでしょうか。

エアロゾル感染については、未だ世界的に定義が統一されていません(2021年9月現在)。しかし、エアロゾル感染は飛沫感染に分類される感染経路の一つであり、ほぼ同義のものと捉えて問題はありません。

より厳密に説明するならば、飛沫感染は、会話やくしゃみ、咳などで出た飛沫を周囲の人間が吸引することで起こる感染のことを指し、エアロゾル感染は、病原体が含まれたエアロゾルを吸引することで起こる感染を指します。

飛沫は水分を含んでいるため、空気中には漂わずすぐに落下していきます。一方のエアロゾルは、飛沫に比べてサイズが小さく、軽いので、空気中に留まりやすいという特徴があります。

参考:飛沫感染と空気感染の違いは? 感染予防策について知ろう

エアロゾル感染を防ぐためのポイント



エアロゾル感染を予防するために重要なのは、「エアロゾルの濃度を薄める」ことです。できるだけ室内のエアロゾル濃度を薄めることが、感染リスクの低減につながるでしょう。

すぐに実践できる対策としては、次のようなことが挙げられます。

・こまめに換気をする
・窓や扉を15cmほど開けた状態にしておく
・扇風機などで出入口へ風を送る

こまめな換気を習慣としている方は多いかもしれませんが、室内のエアロゾル濃度をさらに薄めるには、常に空気の通り道を作ることが大切です。エアコンを利用する場合でも、窓や扉は締め切らずに少し開けておきます。空気が室外へ出られるようにすき間を作っておけば、同時にエアロゾルも室外へ追い出せるでしょう。

換気効果をより高めるには、扇風機やサーキュレーターの利用がおすすめです。空気が室外に出ていきやすいよう、開けた窓や扉に向けて風を送ると効果的です。

この他にもエアロゾル感染対策はありますが、まずは室内のエアロゾル濃度を薄めるために、こまめな換気と空気の通り道の確保を実践してみましょう。

参考:換気の重要性とは?汚れた空気を室外へ!効率の良い方法を紹介

新型コロナウイルスの感染対策



当初、新型コロナウイルスの感染経路は、飛沫と接触の2つと考えられていました。

しかし最近では、世界保健機関(WHO)やアメリカの疾病対策予防センター(CDC)などの保健機関が、エアロゾルを介した感染の可能性を示唆しています。そのため、新型コロナウイルスの感染対策を考えるうえでは、エアロゾル感染を含めた対策が求められ始めています。
なお、新型コロナウイルスの対策として代表的なものは、次のとおりです。

・手洗いや消毒の徹底
・マスクの着用
・3密を避ける
・こまめな換気
・リモートワークの導入
・空気清浄機の設置

上記で紹介した新型コロナウイルス対策は、個人・法人に関わらず実践している方法だといえるでしょう。リモートワークの導入には政府も力を入れており、推進助成金やモデルオフィス事業といった施策を通じて、新型コロナウイルスの感染拡大防止に取り組んでいます。

参考:医師監修【感染症対策】避けるべき場所と一人ひとりができること

最近では、新型コロナウイルスなどの感染症対策として、空気清浄機を導入する企業もあります。

空気清浄機は、単に空気をきれいにするだけではありません。高性能エアフィルター付きのタイプであれば、空気中のウイルスの捕獲も可能です。

厚生労働省が空気清浄機を商業施設などへ推奨する動きもあることから、高性能空気清浄機の設置は検討価値のある感染症対策の一つといえます。

まとめ

本記事では、空気中を浮遊してウイルス感染を引き起こす「エアロゾル感染」の特徴や予防策を解説してきました。

エアロゾル感染を防ぐためには、室内のエアロゾル濃度を下げることが重要です。日頃からこまめな換気や空気の通り道の確保を徹底すれば、エアロゾル感染のリスクを軽減できるでしょう。

エアロゾルの充満を防ぐためには、空気清浄機の導入もおすすめです。空気清浄機の詳しい情報をお求めの方は、こちらから製品概要をご確認ください。



<監修者>
大塚 真紀(おおつか まき)

経歴:
医師、医学博士。博士号は、マウスを用いた急性腎障害に関する研究で取得。専門は、腎臓内科、透析。
都内の大学病院勤務を経て、現在はアメリカ在住。2歳と4歳の娘たちの育児のかたわら、医療関連の記事の執筆や監修、動画監修などを幅広く行なっています。

保有資格:
●医学博士
●総合内科専門医
●腎臓内科専門医
●透析専門医

  • エアロゾル感染とは?

    そもそも「エアロゾル」が何かというと、空気中を浮遊する微小な粒子の総称です。粒子のサイズは0.001μmから100μmと、種類によって大きく異なります(1μmは1mmの1,000分の1のサイズ)。黄砂、花粉、アスベストなども、エアロゾルの一種です。

    つまり、エアロゾル感染とは、病原体を含んだエアロゾルが引き起こす感染のことを指します。エアロゾルは、長いと3時間ほど空気中に浮遊する可能性があるため、エアロゾル濃度の高い密閉空間では、感染のリスクが懸念されます。

  • エアロゾル感染を防ぐためのポイントは?

    すぐに実践できる対策としては、次のようなことが挙げられます。

    ・こまめに換気をする
    ・窓や扉を15cmほど開けた状態にしておく
    ・扇風機などで出入口へ風を送る

    こまめな換気を習慣としている方は多いかもしれませんが、室内のエアロゾル濃度をさらに薄めるには、常に空気の通り道を作ることが大切です。エアコンを利用する場合でも、窓や扉は締め切らずに少し開けておきます。空気が室外へ出られるようにすき間を作っておけば、同時にエアロゾルも室外へ追い出せるでしょう。

    換気の重要性については、こちらの記事をご確認ください。