成長しながら続けるSDGs活動。株式会社日東システムテクノロジーズにインタビュー
クリーンエア・スカンジナビアは、SDGsに関する取り組みとして、サステイナブル・カンパニーを目指しています。
持続可能な発展への貢献。環境負荷削減のための責任ある行動。そして自社のバリューチェーンにおいて人々へのポジティブな効果を高めていくこと。私たちクリーンエアでは、こうした活動に取り組んで参ります。
この記事では、同様にSDGsの取組みを行っている企業をインタビュー形式で紹介します。
群馬県太田市の「株式会社日東システムテクノロジーズ」は、最新技術を駆使したITソリューション事業と社内の取り組みによって、SDGs貢献を目指している企業です。
エコカーでの営業活動を10年以上前から続けているほか、オフィス移転に伴って太陽光発電システムやLED制御照明を導入するなど、さまざまな取り組みを進めています。
今回は同社の代表取締役の青木稔さんに、事業活動とSDGs貢献の関わりについてお話を伺いました。
最新IT技術で社会に貢献する株式会社日東システムテクノロジーズ
―本日はよろしくお願いします。まず御社の事業内容について教えてください。
当社は群馬県太田市にあるIT企業です。学校法人の教務システムや医療法人向けの学籍管理システム、地元製造業者向けの仕様指示システムなど、社会とお客様のニーズに応じたITソリューションサービスを開発・提供しています。企画・開発・販売、アフターフォローをすべて自社で行なっているのが特徴です。
―SDGs達成に向けての取り組みに注目された理由もお聞かせください。
お客様が当社の製品を使うことによって環境負荷を減らせるのではないか、当社のビジネス自体がSDGs達成に貢献できるのではないかと考えました。
SDGsには環境問題だけでなく、教育やジェンダー平等などに関する目標も含まれます。当社は教務システムなどのITソリューションを学校業界へ提供していますので、教育者がより本質的な教育に時間と労力をかける支援ができるという点からも、SDGsと当社の関わりを考えるようになりました。
太陽光で電力の1/3以上を自家発電
―御社では省エネルギー化とCO₂排出量の削減を目指した取り組みをされていますね。
当社オフィスでは重油やガス、灯油といった燃料は一切使いません。すべて電気だけでまかなっており、太陽光発電によって1/3~2/3程度の電力を自家発電で得ています。
群馬県は日照時間の長さが全国トップクラスのため、太陽光発電に適している地域だといわれているんですよ。それも導入しやすかった理由の一つですね。
外部でCO₂を発生させて調達するのではなく自社で電気を作って事業活動ができれば、会社が成長しても環境負荷を高めずにすむだろうと考えました。
―LED制御照明についても教えてください。
電気を自社で作るだけでなく、そもそも無駄使いをしないために、LED制御照明を採用しました。オフィス内照明の明るさは、太陽光の光度に応じて自動制御されています。ランチタイムのワークフロアでは必要な電気量が減りますので、設定した時間になると自動的に証明が消えるようにしたり、残業時間帯も一定のエリアが自動で消灯したりするようにしています。
環境にも会社にも優しいハイブリッドカーで営業活動
―営業活動にはコンパクトカーやエコカーを採用されているそうですが、これはいつ頃からなのでしょうか。
営業車については10年以上前からコンパクトカー、エコカーを使用しています。当社は群馬県だけでなく関東全県で営業活動をしていますので、相当な距離を走るんです。環境負荷、燃費、給油の手間を考えると自然なことでした。
ただ、2018年頃からインサイドセールスを強化していますので、そもそも移動を伴う商談を70~80%ほど減らしてきました。社員数が増えているのに対して、車両数は減らしているという状況です。現在は、どうしても直接お客様とお話する必要がある場合に車を走らせています。
ビジネスの成長とSDGs貢献を持続する「ハートフルカンパニー」へ
―SDGs達成に向けて、何を重視されていますか?
先ほどご紹介した省エネルギー化、CO₂削減を目的とした取り組みのほかに、「公平と平等への取り組み」「産業発展への取り組み」「働きがいと成長への取り組み」などに力を入れています。
「公平と平等」の観点で、取り組みを進めつつも日々難しさを感じ、模索しているのがSDGsゴール5の「ジェンダー平等を実現しよう」です。
当社の社員は男女比が同じくらいですので、人数の面でどちらかがマイノリティであるという感覚はあまりありません。
ただ「平等」とは果たして何だろう、とよく考えます。給与や昇進スピードが同じであれば社員が平等だと感じるのか。産休・育休の取得に関わらず能力によってキャリアが変わることが平等なのか、そうでないのか。
さまざまな状況の社員の意見を取り入れながらも、会社としての指標を持つことが大切だと思いますので、必要に応じて社内制度を整えるなどしていきたいですね。
―「産業発展のへの取り組み」はまさに御社の事業内容と関わりが深いですね。
事業活動を通じて、SDGsゴール4「質の高い教育をみんなに」、ゴール9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献したいと考えています。
当社の製品によって先生方の手間が減ったり、業務をシステム化できたりすることによって、教育に向き合う時間が増やせるはずです。これは当社がまず貢献すべきことだと思います。
―今後の計画がありましたらお聞かせください。
環境負荷の軽減に関しては、井戸水クーラーとヒートポンプエアコンの導入を検討中です。井戸水は一年を通して温度が一定なので、汲み上げた井戸水のパイプに送風すると夏場は20℃程度の冷風を生みます。この仕組みによって、電力量を通常のエアコン使用にかかる電力の2~5%程度に抑えられるんです。暖房も同じで、温水パイプに送風して暖気をつくります。
群馬県は地下水源が豊富なので、井戸水を活用すれば、より少ない環境負荷で事業活動を営めるのではないかと思います。
―環境問題に関心のある方や、SDGs達成への貢献を目指す企業の皆さんにメッセージをお願いします。
当社は企業としての生産活動によって利益を上げながらも、環境負荷を高めない「地球にやさしいハートフルカンパニー」を目指しています。
環境に配慮した取り組みを事業と切り離すと継続が難しいですし、社員も喜びを感じにくくなります。いかに自社の事業活動のなかで社会貢献できるかを考えれば、短期間ではなく一生涯続けていける取り組みになるのではないでしょうか。
―本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
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