ホテルで喫煙は出来る ?ホテル内の喫煙場ルールや消臭対策、助成金について解説

ホテルで喫煙は出来る ?ホテル内の喫煙場ルールや消臭対策、助成金について解説

健康増進法の改正により喫煙のルールが厳しくなったため、ホテルでの喫煙は認められているのか、気になる方も多いでしょう。

ホテルでの喫煙の可否は、客室とそれ以外とでルールが異なります。ホテルの事業者は、喫煙を望む宿泊客と非喫煙者のどちらにも満足してもらうために、どのような対策をとればよいのでしょうか。

今回は、ホテルでの喫煙のルールや消臭対策、喫煙所設置の条件、助成金、喫煙ブースや空気清浄機といった分煙の取り組みについて説明します。喫煙所の設置を検討しているホテル事業者の方は、ぜひ参考にしてください。

【客室】喫煙の可否はホテルのホームページに記載する

2020年4月に改正健康増進法が全面的に施行され、旅館やホテルといった宿泊施設では、客室を除く屋内での禁煙が義務付けられました。この場合の屋内とは、ロビー・宴会場・会議室など、人の居住用に提供しない部分のことをいいます。

つまり、改正健康増進法の規制では、客室での喫煙が可能ということです。多くのホテルでは、客室を喫煙可能な部屋(以下、喫煙ルームとします)と禁煙の部屋に分けたり、階ごとに喫煙フロアと禁煙フロアに分けたりしています。

しかし、宿泊客のなかには、ホテルではもう喫煙ができなくなったと勘違いしている方がいるかもしれません。このほかに、愛煙家で喫煙ルームがあるホテルを優先的に選ぶ方もいるでしょう。

ホテルで喫煙できるかどうかを気にしている方も多いため、ホテル事業者は、喫煙できるかどうかをホームページなどにわかりやすく提示しておくことをおすすめします。

また喫煙者であっても、部屋の臭いが気になり、客室とは別の場所で吸いたいという方もいるかもしれません。同行者が非喫煙者の場合も、禁煙の客室を利用したいと考えるでしょう。

客室からなるべく近い場所に喫煙スペースが欲しい喫煙者と、禁煙の客室を利用したい非喫煙者、双方のバランスを解消する選択肢の一つが、喫煙ブースです。

喫煙ブースとは、タバコの臭いや煙をほぼ完全に除去できる性能を備えたブースのことです。屋内に設置できるため、タバコを吸おうと喫煙者がその場を離れたり、非喫煙者がタバコの臭いを我慢したりする必要はなく、どちらも同じ空間で過ごせます。ホテル事業者の方は、設置を検討してみてはいかがでしょうか。

ホテルの喫煙ルームにおける消臭対策



ホテルの禁煙ルームでタバコを吸ってしまった場合、その宿泊客には大きいコストが発生することが考えられます。改正健康増進法で客室での喫煙は禁じられていませんが、喫煙を禁じているホテルの場合、損害賠償を請求することもあります。

また、喫煙ルームでタバコを吸ったとしても、客室に臭いが残ってしまうことは少なくありません。混雑する際は、喫煙ルームに非喫煙者が宿泊する場合があり、また喫煙者のなかに他人のタバコの臭いを気にする方もいます。

そのため、ホテルの喫煙ルームでは消臭対策が欠かせません。消臭対策としてはこまめに換気するほか、空気清浄機や消臭スプレーの使用が一般的です。

換気は客室内の臭いを消すのに有効で、換気時間が長いほど効果が上がります。換気扇を回してドアと窓を開け、客室の空気を入れ替えれば、タバコの臭いに限らず食べ物や浴室の臭いなども抑えられるでしょう。

ただし、客室に残った臭いが強い場合や、短時間しか換気できない場合は、効果があらわれにくいため注意が必要です。

空気清浄機には消臭・脱臭効果も期待できるため、各部屋に空気清浄機を設置しておけば、臭いがこもりにくくなります。なかには消臭・脱臭を得意としない空気清浄機もあるため、製品選びは慎重に行いましょう。

消臭スプレーは、タバコなどの臭いの元となる成分を、スプレーに含まれる成分により中和や吸着などを行って消臭するものです。布や衣類の臭いを取るものや、空間の臭いを取るもの、香料を含むものなど、さまざまなタイプがあります。なかには除菌効果を持つものもありますが、臭いの根本原因を除去することはできないため、一時的な消臭手段と考えておきましょう。

ホテル事業者としては、客室以外のアクセスしやすい共用部に喫煙スペースなどを設置し、宿泊客に場所をわかりやすく伝えることが大切です。

ホテルの共有部分の喫煙場所におけるルール



先ほども述べたように、2020年4月に全面施行された改正健康増進法によって、ホテルでは客室以外での屋内禁煙が義務付けられました。

ホテル施設内で喫煙をするには、喫煙所の設置が必要です。喫煙所は、ただほかの場所と仕切られていれば良いわけではなく、次に説明する改正健康増進法で定められた条件を満たす必要があります。

喫煙をしたい方に向けて、ホテルでは指定の喫煙場所についての案内を用意しておくとよいでしょう。


◇喫煙所を設置するための条件
喫煙所を設置するための技術的基準は以下の3項目です。

1. 喫煙所入口の外部から内部への気流が毎秒0.2m以上であること
2. 壁・天井による区画分けにより、タバコの煙が喫煙所の外部に漏れないこと
3. タバコの煙は屋外に排気されること

喫煙所は20歳以上の方にしか使えず、清掃を行う場合でも20歳未満の従業員は立ち入れません。さらに、喫煙所の出入口には、喫煙可能な場所であること、20歳未満は立ち入り禁止であることの表示が義務付けられています。

また、技術的な基準を守るだけでなく、3ヵ月毎の計測と、それにともなうレポート作成も必要となります。喫煙所の気流は汚れにより速度が落ちていくこともあるため、運営のハードルが高いと感じるかもしれません。


◇自治体からの助成金
事業者が受動喫煙防止対策をする際には、申請により自治体や公社などから助成金を得られる場合があります。

たとえば、東京都が行う都内の中小飲食店を対象とした「受動喫煙対策支援補助金」があります。客席面積100m2以下の中小飲食店が、喫煙専用室や指定たばこ専用喫煙室を設置した場合の補助率は9/10で、400万円まで助成されます。そして、客席面積が100m2を超える中小飲食店の場合の補助率は2/3です。
参考:受動喫煙対策支援補助金について(東京都保健医療局)

また、東京都中小企業振興公社でも、都内の中小飲食店や宿泊施設を対象とした助成金支援を行っています。客席面積が100m2以下の中小飲食店での助成率は9/10以内、それ以外の飲食店や宿泊施設での助成率は2/3以内で、分煙設備の設置に対する助成限度額は400万円となっています。

助成対象となる分煙設備は新品に限り、リースやレンタルの設備は対象外です。また、ほかの公社や国、地方公共団体から助成金を受け取っている場合は、重複して助成金を申請することができません。

これ以外にもさまざまな条件があるため、募集要項をよく読んで申請することが大切です。東京都中小企業振興公社では、受動喫煙防止対策をしたい事業者へ経営のアドバイスも無料で行なっていますので、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

参考:新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業(飲食事業者向け経営基盤強化支援(受動喫煙防止対策支援コース))(公益社団法人東京都中小企業振興公社)
参考:新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業(飲食事業者向け経営基盤強化支援(受動喫煙防止対策支援コース))助成金 募集要項(公益社団法人東京都中小企業振興公社)

このほかにも、全国の自治体で類似の助成金があります。助成制度の詳細を知りたい方は、お住まいの自治体のホームページから確認してみてください。

クリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機と喫煙ブース



ホテルは数多くの人が利用するため、客室の臭いに関する問題は、タバコに限らず発生しやすいものです。ホテルによっては、喫煙ルームの使用後に客室をクローズして臭いを除去しますが、稼働率が下がり売上の減少につながることもあるでしょう。

客室を喫煙可能にして消臭対策に苦労するよりも、共用部に喫煙専用室を設置したほうが客室の回転率を下げずに済みます。しかし、喫煙専用室の設置には、場所の確保や換気設備の工事が必要なうえに、ヤニの付着による汚れ、臭い漏れなどの問題も考慮しなければなりません。

喫煙専用室を作るのが難しい場合は、技術的基準を満たした脱煙機能付きの喫煙ブースを設置する方法もあります。喫煙ブースであれば大がかりな工事は必要なく、場所が限られていても設置できます。喫煙専用室を作るのと比べて、設置コストを大きく削減できるでしょう。

厚生労働省が定める脱煙機能付き喫煙ブースの技術的基準は、以下の3項目です。

1. 総揮発性有機化合物の除去率が95%以上
2. 当該装置により浄化され、室外に排出される空気中の浮遊粉じん量が0.015mg/m3以下
3. 出入口で、室内に向かう気流が0.2m/秒以上

参考:職場における受動喫煙防止のためのガイドライン(厚生労働省)

クリーンエア・スカンジナビアの喫煙ブースは、上記の基準に適合し、排出空気の浮遊粉じん量は基準を大幅に下回る平均0.000mg/m3を誇ります。

また、タバコの煙は粒子成分とガス状成分に分けられますが、これまではガス状成分の除去が困難でした。しかし、クリーンエア・スカンジナビアの喫煙ブースでは、独自に開発したガスフィルターでガス状成分も99.9%以上除去します。

なかには、法律で決められた基準を満たしていても臭いが漏れるケースがありますが、クリーンエア・スカンジナビアの喫煙ブースでは、その心配もいりません。

さらに、100Vの電源があればどこでも設置可能で、部屋の確保や設備工事の必要がなく、手軽に導入できます。サイズはコンパクトな2人用からゆったりくつろげる8人用まであり、ホテルの規模に合わせて対応が可能です。

導入後は、専門スタッフが定期的に訪問点検を実施して空気浄化フィルターの点検・交換を行い、法律要件をクリアした環境を維持します。法律要件のクリアを証明するレポート作成も、クリーンエア・スカンジナビアが代行するため手間も省けます。

このほかに、クリーンエア・スカンジナビアでは喫煙ブースで培った技術をもとに、空気清浄機の開発もしています。

高性能フィルターを組み合わせることにより、さまざまな大きさの粉塵を除去し、室内の空気を快適に保ちます。これまでは困難だった0.1~0.2μmの細かい粒子も、ほぼ100%補集が可能です。

多くの空気清浄機は、効果を高めるためにファンモーターを早く回転させると、稼働音が大きくなってしまいます。その点、クリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機は音をなるべく抑えて稼働するため、落ち着いて過ごせるホテルのイメージを壊しません。

空気清浄機の導入後にも、専門スタッフが定期的に訪問し、浄化フィルターの点検・交換をおこないます。。これにより、性能を長く保てるでしょう。

クリーンエア・スカンジナビアの喫煙ブースや空気清浄機についてより詳しく知りたい方は、こちらのページを参考にしてください。

まとめ

健康増進法の改正で、ホテルの屋内は原則禁煙になりましたが、客室では喫煙が可能です。しかし、喫煙ルームは臭いが残りやすく、消臭対策が必要になります。喫煙者と非喫煙者がどちらも快適に過ごせる空間にするには共用エリアへの喫煙所の設置がおすすめですが、コスト面で設置をためらっている事業者の方も少なくないでしょう。

クリーンエア・スカンジナビアの喫煙ブースは、電源が確保できれば工事不要で、どこにでも設置可能です。

また、法律要件を満たした喫煙室があるホテルに、さらに空気清浄機を設置することで、より過ごしやすい空間をつくることも可能です。

国や都道府県からの助成金制度もあるため、ホテル内の分煙を検討している方は、クリーンエア・スカンジナビアの喫煙ブースや空気清浄機を選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。