喫煙にもメリットはある?デメリットも理解して、分煙に努めよう

2024.9.3 分煙

喫煙にもメリットはある?デメリットも理解して、分煙に努めよう

近年、全面禁煙や屋内禁煙の施設が増えていることもあり、喫煙は「身体に悪い」「周りに迷惑がかかる」というイメージが定着しています。一方、喫煙にもメリットはあるという意見も少なからず出ているため、実際はどうなのか気になる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、喫煙のメリット・デメリットを踏まえつつ、事業者が進めるべき分煙化の概要について解説します。また、受動喫煙対策におすすめの喫煙ブースも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

喫煙にもメリットはある?

喫煙のメリットとしては、以下のような要素が挙げられます。

● ストレス解消につながる
● 肥満のリスクを回避できる可能性がある
● 喫煙者同士の交流の場ができる
● 喫煙者による経済効果もある

各メリットの詳細や実情もまとめました。

◇ストレス解消につながる

たばこを吸うことにより、喫煙者は気分がリラックスしてストレスを解消できるといわれています。しかし、実際は体内から抜けたニコチンを補充し、ニコチン不足によるイライラや不安を解消しているだけです。

たばこに含まれるニコチンは脳の神経系に働きかけて、快楽を生じさせるドーパミンの分泌を促進します。ところが、日常的にニコチンを摂取している場合、自力でドーパミンを分泌する力が弱くなるため、定期的に喫煙しないとストレスが発生してしまうのです。

つまり、喫煙で解消できるストレスの原因は、他でもないたばこ(ニコチン)ということです。

◇肥満のリスクを回避できる可能性がある

ニコチンには、代謝を促進し、食欲を抑制する作用があるといわれています。満腹感にかかわるニューロンという神経細胞がニコチンによって活性化した結果、食事量が減少するという仕組みです。

ただし、喫煙と肥満リスクの関連性については意見が分かれています。「たばこを吸うほど肥満率は高くなる」「喫煙量が減っても体重には影響しない」といった意見も出ているため、肥満リスクを回避できるとは断定できないのが実情です。

◇喫煙者同士の交流の場ができる

喫煙室や屋外喫煙所などで顔を合わせることにより、喫煙者同士の交流が生まれるケースもあります。「タバコミュニケーション」とも呼ばれていますが、閉鎖的なスペースに人が集まるため、他の喫煙者との距離を縮めやすいことがメリットです。

喫煙を通して、別の部署で働いている方や、管理職に就いている方など、普段なかなか話す機会がない人ともコミュニケーションをとることができます。お互いに気分がリラックスした状態で話せるため、そこから社内での人間関係が発展するかもしれません。

◇喫煙者による経済効果もある

喫煙者がたばこを購入する際、消費税に加えてたばこ税を納めているので、税収増に貢献しているという意見もあります。

たばこ税は国税(国たばこ税・たばこ特別税)と地方税(道府県たばこ税・市町村たばこ税)に分かれており、消費税も合わせると税率は約61.7%です。例えば、1箱580円の紙巻たばこを購入した場合、約357.6円分が税金となります。

この税収の合計は年間約2兆円にも上るため、国や自治体にとって欠かせない財源です。

喫煙のデメリットも忘れずに



たばこを吸うことで、喫煙者は以下のようなデメリットを被ります。

● さまざまな病気の罹患率があがる
● 妊婦・胎児に悪影響がある
● 味覚・嗅覚が鈍化する
● 出費がかさむ

メリットだけではなく、デメリットも忘れずに押さえておきましょう。

◇さまざまな病気の罹患率があがる

ニコチン・タール・一酸化炭素・アンモニアなど、たばこの煙には多くの有害物質が含まれています。そのうち70種類以上は発がん性物質であり、がんを抑制する遺伝子の働きを阻害してしまうため、結果的に喫煙ががんの発症リスクを高めてしまうのです。

喫煙習慣が引き起こすがんというと「肺がん」が有名ですが、それ以外にも「食道がん」「咽頭がん」「胃がん」「すい臓がん」などとの因果関係が認められています。

さらに、がん以外の病気の罹患率も高まります。喫煙と因果関係がある病気の例は、以下のとおりです。

● 呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患、呼吸機能低下など)
● 循環器疾患(虚血性心疾患、脳卒中、腹部大動脈瘤など)
● 糖尿病
● 歯周病

また、たばこを吸わないとストレスが生じる「ニコチン依存症」にも注意しなければなりません。

◇妊婦・胎児に悪影響がある

妊婦がたばこを吸った場合、本人のみならず胎児にも悪影響が生じます。

流産・早産や前期破水のリスクだけではなく、胎児の発育不全や奇形につながるリスクも上昇してしまうため、妊娠中の喫煙は避けるべきです。

◇味覚・嗅覚が鈍化する

喫煙を続けていると、味覚・嗅覚が鈍化し、食べ物の味がわかりにくくなります。これは、たばこに含まれるニコチンが口内に残ることで、味や香りに対する感覚が鈍ってしまうからです。

おいしい料理をきちんと味わいたいなら、禁煙することをおすすめします。

◇出費がかさむ

ここ数年、たばこの値上げが続いています。2024年8月現在、おもな銘柄は1箱500円前後するため、日常的に吸っていると出費もかさみがちです。

節約という観点から見ても、喫煙のデメリットは小さくないといえるでしょう。

喫煙は周囲へのデメリットもある

喫煙は自分だけではなく、周囲の方々にも以下のようなデメリットをもたらします。

● 受動喫煙問題
● 臭いの問題
● ポイ捨て

◇受動喫煙問題

近年、たばこの副流煙を意図せず吸う受動喫煙が大きな問題となっています。副流煙は喫煙者が吸い込む主流煙より有害物質の含有量が多いため、非喫煙者に対して深刻な健康被害をもたらす可能性があるのです。

特に以下のような病気は、受動喫煙との因果関係が認められています。

● 肺がん
● 虚血性心疾患
● 脳卒中
● 乳幼児突然死症候群(SIDS)

家族や友人の健康を守るためにも、喫煙時の環境には注意しましょう。

◇臭いの問題

たばこの煙に含まれる臭いの粒子は、髪の毛や衣類に付着します。そのため、喫煙者の服やバッグについている臭いが、周囲に不快感を与えるかもしれません。

また、喫煙者が近くにいると、非喫煙者の衣類に臭いが移ってしまうといった問題もあります。

◇ポイ捨て

たばこの吸い殻を路上に捨てるポイ捨ては、喫煙者の代表的な迷惑行為です。

環境悪化や火災につながりかねず、単なるマナー違反ではなく、法律違反として罪に問われる可能性もあります。

事業者は分煙化を進めよう



2020年4月1日から改正健康増進法が全面施行されました。そして、受動喫煙防止対策はマナーからルールへと変わり、事業者に対しても対策が求められています。

現状、多くの施設は「屋内原則禁煙」ですが、専用の喫煙室があるなら屋内でも喫煙可能です。ただし、喫煙室を設置する場合、喫煙できる旨を標識で示し、従業員も含めて20歳未満の者の立ち入りを禁止する必要があります。

また、喫煙室における以下の技術的基準も満たしたうえで、定期的な計測とレポート作成及び保管が必要です。

1. 出入口において室外から室内に流入する空気の気流が0.2m毎秒以上であること
2. たばこの煙(蒸気を含む。以下同じ。)が室内から室外に流出しないよう、壁、天井等によって区画されていること
3. たばこの煙が屋外または外部に排気されていること
出典:「健康増進法の一部を改正する法律」の施行について(受動喫煙対策)|厚生労働省

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受動喫煙対策にクリーンエアスカンジナビアの喫煙ブース



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まとめ

喫煙は「百害あって一利なし」と思われがちですが、メリットもいくつか存在します。しかし、それ以上にデメリットが多いことも事実です。

特に、受動喫煙は非喫煙者に多大な悪影響をもたらします。事業者としてオフィスや店舗の分煙化・禁煙化に取り組み、喫煙者と非喫煙者、両者が快適に過ごせる環境づくりに努めましょう。