第1種・第2種・第3種換気とは?メリット・デメリットや、喫煙室における必要な換気システムを解説
受動喫煙防止の観点から、オフィスや商業施設などにおける喫煙室の設置の法規制が強化されています。分煙の形態は様々であるためその効果も異なりますが、喫煙室から非喫煙場所へたばこの煙やにおいの流入を防止するためには、「換気システム」が重要です。
本記事では、第1種・第2種・第3種換気の3種類ある換気システムそれぞれの特徴や、メリット・デメリットを解説します。
また、喫煙室に最適な換気システムと、喫煙室設置のための法的な基準も併せてご紹介します。喫煙室設置を検討している方は、ぜひご一読ください。
換気システムの種類とは?
換気システムとは、機械を使って室内の空気と外の空気を強制的に入れ替える仕組みのことです。第1種換気・第2種換気・第3種換気の3種類があり、給気、排気をそれぞれ機械的に行なうか、自然に行なうかの違いがあります。
それぞれの特徴は次のとおりです。
● 第1種換気:「排気」も「給気」も機械で行なう換気
● 第2種換気:「給気」のみを機械で行なう換気
● 第3種換気:「排気」のみを機械で行なう換気
建物の種類や環境、予算、使用目的を考慮して最適なものを選ぶようにしましょう。
第1種換気・第2種換気・第3種換気のメリット・デメリット
効率的な換気を行なうためには、次の3つを上手に作りだすことがポイントです。
● 新鮮な外気を取り込む「入口(給気口)」
● 汚れた空気を排出する「出口(排気口)」
● 空気の流れをスムーズにする「経路」
上記を踏まえ、第1種換気・第2種換気・第3種換気のメリット・デメリットを詳しく解説します。
◇第1種換気のメリット・デメリット
第1種換気のメリットは、給気も排気も機械で行なうため、効率的で安定した換気ができることです。室内の気圧を外気とほとんど同じに保つことができ、空気の通り道も安定しやすいのが特徴です。
デメリットは、給気と排気、両方に機械がいるため、コストがかかる点です。また、フィルターやダクトを定期的に掃除する必要があり、そのための手間や費用もかかります。
◇第2種換気のメリット・デメリット
第2種換気は、給気を機械で強制的に行ない、室内の空気は自然に排出させる方法です。室内は外気よりも空気圧が高い「陽圧」になるため、クリーンな空気を送り続けることで、隙間などの給気口以外の場所から汚れた空気が入らなくなり、室内を清浄に保てる点がメリットです。
デメリットは、室内の空気が押し出される形で排気されるため、隙間などから湿気を含んだ空気が漏れ出た場合は、外気によって冷やされ、壁などが結露する可能性があります。そのため、一般住宅には向いていません。
◇第3種換気のメリット・デメリット
第3種換気では、給気は自然に行ない、排気口にはファンなどを取り付けて強制的に排気を行ないます。排気のための機械と給気口を設置するだけなので、費用が抑えられるのが大きなメリットです。
掃除がしやすく、メンテナンスの手間も少なく済みます。
デメリットは、外気が直接入ってくるため、空気に含まれる花粉やほこりなども一緒に入ってくる可能性があることです。換気はできても必ずしもきれいな空気が入ってくるわけではなく、空気清浄の点から見ると劣ります。
また、室内は外気よりも圧力が低くなる「負圧」の傾向になるため、隙間からも空気が出入りしてスムーズな空気の流れを作りにくくなり、室内の換気に偏りが起きてしまうこともあります。
【第1種換気・第2種換気・第3種換気のメリット・デメリット】
第1種換気 | 第2種換気 | 第3種換気 | |
換気方式 | 給気・排気とも機械 | 給気のみ機械 | 排気のみ機械 |
メリット | ・効率的で安定した換気ができる ・室内の気圧が一定 |
・室内を陽圧に保ち、外部の汚れた空気の侵入を防ぐ | ・導入・ランニングコストが低い ・メンテナンスが簡単 |
デメリット | ・導入・ランニングコストが高い ・定期的なメンテナンスが必要 |
・用途が限られており、一般住宅には不向き | ・空気の質や気温など、外気の影響を受けやすい |
一般的に、第2種換気は病院やクリーンルームなどで使用されるシステムで、一般住宅では第1種または第3種の換気システムが採用されます。
◇喫煙室においては第3種換気が必要
喫煙室においては、室内の気圧を外気よりも低い「負圧」に保ち、喫煙室の煙や臭いが室外に流れ出るのを防止できる第3種換気が適しています。導入するためには排気用のファンと、自然吸気を行なうためのガラリやパスダクトが必要です。
第2種換気では給気のみが行なわれるので喫煙室内が陽圧になり、タバコの煙を喫煙室の外に押し出してしまいます。
また、給気型と排気型の2種類の換気扇を使う第1種換気では、両者が同じ風量であれば喫煙室内外の気圧差はありません。しかし、タバコの煙を室外へ出さないようにするには、出入り口から喫煙室へと流れる気流を常に保つ必要があるため、給気型は併用できません。
喫煙室を設置するために知っておくべきこと
2020年4月、健康増進法の一部を改正する法律が全面施行となり、オフィス、商業施設、宿泊施設などの屋内に設ける喫煙スペースにも、一定の条件を満たすことが義務付けられました。喫煙室の設置を検討している場合は、法律の要件を正しく理解したうえで、適切な対策を行なわなければなりません。
室内の空気を清浄に保つには、適切な換気設備を設置して空気を入れ替えることが重要です。ここからは、喫煙ブースを設置するための条件を詳しく解説します。
◇喫煙ブースを設置するための基準条件
喫煙所を設置するには、以下のような技術的基準を満たす必要があります。
1. 喫煙所入口の外部から内部への気流が上中下の測定点において毎秒0.2m以上
2. 壁や天井などでの区画分けにより、たばこの煙が喫煙所の外部に漏れていない
3. たばこの煙が屋外に排気されている
なお、喫煙ブースは屋外排気型が基本とされていますが、法律の経過措置により、建物の建築時期に応じて、一部の施設では屋内排気が許可されています。
さらに、施設の出入口および喫煙所の出入口に、以下のような標識を掲示することも義務付けられています。
● 20歳未満は立入禁止
● 喫煙可能な場所であること、20歳未満は立入禁止であることを示す標識を掲示
● 3ヵ月毎の計測と性能評価に基づき、レポートを作成
喫煙ブースを設置するならクリーンエア・スカンジナビア
喫煙ブースを設置したくても、屋外排気が難しい建物や、屋内排気であっても、基準を満たす製品選びに悩む場合もあるでしょう。
クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンは、浄化能力に優れた独自のガスフィルターにより、タバコ粒子をほぼ100%除去します。厚生労働省が定める基準「空気の浮遊粉じんの量が0.015mg/立方メートル以下」を大きく上回る能力があることが国内の第三者研究機構により確認されました。
タバコの煙や臭いを完全に除去して、喫煙者と非喫煙者ともに快適な空気環境を作ります。
また、100V電源があれば設置できるため、大がかりな工事が不要です。今あるスペースを活用して、空間になじむすっきりしたデザインの分煙キャビンを設置できます。
メンテナンスは専門スタッフによって定期的に行ない、3ヵ月ごとの計測・レポート作成の代行も可能なため、「常に快適な空気環境を維持したい」「設置後のメンテナンスも併せて依頼したい」という場合には特におすすめです。
大きさは2名用のコンパクトなものから、4名・6名・8名など複数人同時に利用できるものまであり、状況に合わせて最適なものをお選びいただけます。新たに喫煙ブースの設置をご検討の際は、クリーンエア・スカンジナビアへお任せください。
まとめ
換気システムには第1種・第2種・第3種の3種類あります。喫煙室においては、室内の気圧を負圧に保つ「自然給気+機械排気」の第3種換気システムが向いています。
また、喫煙ブースを設置する際は、改正健康増進法の基準を満たし、導入後も空気清浄能力が保たれているかを定期的に確認する必要があります。
クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンは、タバコの煙も臭いも捕集し、定められた基準を上回る空気清浄能力が特徴です。室外に漏れないだけでなく、髪や衣服にも臭いが付かないので、喫煙中もそのあとも、すべての方にとって快適な環境を保つことができます。
高性能な分煙キャビンをお求めの際は、ぜひクリーンエア・スカンジナビアをご検討ください。
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