喫煙休憩は非喫煙者にとって不公平?企業が考えるべき適切な対応
勤務中に喫煙のために休憩することを、喫煙休憩(たばこ休憩)と呼びます。
喫煙休憩は通常の休憩時間とは別にとられることが多いため、喫煙の回数が増えれば増えるほど、休憩時間が増えて勤務時間が短くなります。過去には喫煙休憩を争点とした裁判が開かれるなど、喫煙休憩はどの企業にとっても身近な問題だといえるでしょう。
喫煙休憩をどう取り扱い、不公平感を解消するのか、企業には適切な対応が求められます。
そこで本記事では、喫煙休憩の抱える問題点と、喫煙休憩に対して企業がとれる施策について解説します。社内の喫煙状況を把握し、どのような対応がとれるのか、社内で検討してみましょう。
喫煙のために休憩をとるのは不公平?
1回10分の喫煙休憩を1日4回する場合、喫煙者は非喫煙者より1日40分多く休憩することになります。喫煙回数が増えれば増えるほど休憩時間の差が増えていき、数ヵ月あるいは年単位で見ると、喫煙による休憩時間の差は膨大なものになるでしょう。
仮に1日30分の喫煙休憩を20日間とれば、10時間の休憩、つまり1日の就業時間以上の休憩をとっている計算になります。休憩時間にこれだけの差があれば、非喫煙者が喫煙休憩を不公平だと感じるのも頷けます。
しかし、喫煙休憩は本当に不公平なのでしょうか。
喫煙休憩が休憩であるか否かは、過去にも裁判の争点となりました。判例では、喫煙が休憩と認められた事例とそうでない事例の両方が存在するため、状況によって司法の判断が分かれていることがわかります。
・喫煙休憩が休憩と認められなかった事例(岡山県貨物運送事件)
喫煙していた休憩室が仕事場所から近距離にあり、何かあればすぐに業務に戻らなければならない状況であったことから、喫煙は休憩とみなされませんでした。
・喫煙休憩が休憩と認められた事例(泉レストラン事件)
喫煙のために店舗から離れた場所に行き、戻るまでに10分前後を要していたことから、喫煙中に労働から解放されていたとみなされ、喫煙が休憩であると認められました。
裁判の内容からもわかるとおり、喫煙休憩を休憩とみなすかどうかは、状況に応じて慎重に判断しなければなりません。喫煙休憩はすべて悪いもの、と考えないことが大切です。
喫煙者と非喫煙者が同じ職場で心地良く仕事をするためには、喫煙に関するルール整備などの施策が欠かせません。喫煙者と非喫煙者の公平性が著しく損なわれないよう、企業としての対応を検討しましょう。
喫煙者に対する企業の適切な対応とは?
喫煙休憩による不公平感を緩和するために、企業が喫煙者に対してとれる施策にはどのようなものがあるのでしょうか。本章では、具体的な施策を5つ紹介します。
◇喫煙者の給与や賞与を減額する
喫煙休憩中、喫煙者が完全に労働から解放されている場合、喫煙休憩は労働時間とみなされません。そのため、労働時間とみなされない喫煙休憩をしている喫煙者には、休憩中の給与や賞与を減額する処置をとれます。ただし、給与や賞与の減額は喫煙者からの反発を招くおそれがあるため、制度導入は慎重に検討しましょう。
◇非喫煙者に給与面で手当を与える
喫煙者の給与を減額するのではなく、非喫煙者に給与面で手当てを与える方法もあります。実際に、非喫煙者に「禁煙手当」を付与する企業も存在しており、そのような企業では喫煙者が禁煙に向けて積極的に努力するといった効果も見られます。◇喫煙休憩の多い従業員にペナルティを与える
喫煙休憩の頻度が多い社員にペナルティを設ける方法もあります。具体的には、「喫煙休憩は1日2回まで、休憩時間は10分以内に収めること」などとルールを設定し、ルールを破った人には注意指導や懲戒処分などを行なうのです。ペナルティを設定することで、悪質な喫煙休憩を抑制できるでしょう。
ただし、行き過ぎたペナルティは、労働者側から労働審判や訴訟を受けるリスクもあります。ルールの厳格化によって不当な処分・解雇が発生しないよう、制度設定には注意が必要です。
◇非喫煙者に喫煙休憩同等の休憩を与える
喫煙者が必要に応じて喫煙休憩をとるのと同じように、非喫煙者にも休憩を与えるという方法です。適度な休憩は喫煙の有無に限らずすべての社員に必要であるため、休憩を増やす施策は社員にも受け入れられやすいでしょう。基本的に、休憩は事業場で一斉に付与されます。休憩を一斉に付与しない場合には、労使協定で休憩の与え方を定めなければなりません。
◇休憩のルールを明確化する
喫煙休憩についてどのようなルールを整備するにしても、ルールの明確化は不可欠です。ルールが明確化されていると、社員が休憩をとりやすくなるうえ、企業側も処分をしやすくなります。休憩のルールを明確化して文書にまとめ、社員に周知徹底しましょう。社内の喫煙スペース設置には分煙キャビンがおすすめ
2020年に改正健康増進法が全面施行されたことにより、一部の施設を除き、事業所や飲食店などの屋内は原則禁煙となりました。
喫煙者が建物内で喫煙するためには、喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室を利用する必要があります。社内に喫煙スペースがあれば、喫煙者は喫煙休憩のために遠くまで時間をかけて喫煙スペースを探しに行く必要もなく、休憩時間が多くかかることもありません。
喫煙者と非喫煙者がお互いに心地良く働くためにも、必要に応じて社内に喫煙スペースを設置するとよいでしょう。
喫煙スペースを低コストで簡単に設置したいなら、クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンの利用がおすすめです。
分煙キャビンは、屋内の100V電源がある場所ならどこへでも設置可能です。サイズも複数展開されているので設置場所に困らず、設置工事費もかかりません。
コンパクトな外見でありながら、たばこの煙と臭いを外部に漏らさない捕集技術に優れており、改正健康増進法に準拠しています。
捕集が困難とされるたばこ粒子をほぼ100%捕集(※1)できるほか、独自に開発したガスフィルターによりたばこ固有のガス状成分もほぼ100%除去可能(※2)です。
分煙キャビン導入後は専門スタッフが定期メンテナンスを行うため、空気洗浄フィルターを清潔に保ち、快適な空気環境を得られます。
喫煙スペース設置のために大がかりな工事をしたくない場合は、ぜひ分煙キャビンの利用を検討してみましょう。
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まとめ
喫煙を理由とした仕事中の休憩は、状況や頻度などによって処分の対象になる可能性があります。喫煙休憩を「不公平」と感じる非喫煙者が存在するなかで、喫煙者と非喫煙者が互いに気持ちよく働くには、喫煙休憩のルールを整備するなどの対応が必要です。
喫煙休憩に関して企業側がとれる対策には、喫煙休憩の頻度などに応じて行なう喫煙者の給与減額や、非喫煙者への手当支給などがあります。
ルール整備によって喫煙の有無による不公平を減らすことは可能ですが、行き過ぎたルールは喫煙者の反感を買うことになりかねません。社内における喫煙の状況を把握し、適切なルールを定め、社員に周知徹底しましょう。
喫煙休憩をスムーズに行なえる環境を整備するなら、分煙キャビンの設置がおすすめです。設置工事費がかからず、簡単に利用できるため、社内の喫煙状況に合わせて利用してみてください。
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