ホテルの喫煙ルームの臭い対策は?共有部分に喫煙室の設置も検討を

2024.11.29 喫煙問題

ホテルの喫煙ルームの臭い対策は?共有部分に喫煙室の設置も検討を

改正健康増進法の施行にともない、ホテルをはじめとする宿泊施設は「原則屋内禁煙」が義務付けられました。ただし、喫煙可能な客室として「喫煙ルーム」を設けることが認められています。

一方、喫煙ルームの臭いが気になり、何らかの対策を検討している事業者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ホテルの喫煙ルームの臭い対策を踏まえたうえで、臭いが消えないときの対処法や共有部分に喫煙所を設置するための条件、臭いのクレーム対策について解説します。また、ホテルにおすすめの喫煙ブースも紹介するので、ぜひご一読ください。

ホテルの喫煙ルームの臭い対策

ホテル側が行なう喫煙ルームの臭い対策としては、以下のような方法が挙げられます。

● こまめに換気をする
● 空気清浄機を設置する
● 消臭スプレーをまく
● オゾン消臭を行なう

それぞれ詳細をまとめました。

◇こまめに換気をする

喫煙ルーム内の換気を行なうことで、タバコの煙で汚れた空気と外のきれいな空気が入れ替わり、結果的に臭いを軽減できます。窓やドアをしばらく開けるだけでも、十分な換気効果が見込めるでしょう。

ただし、ホテルの高層階に喫煙ルームを設けている場合、窓を開けられないケースもあります。その際は換気扇を活用したり、扇風機で室内から室外へ空気を流したりするといった対策が有効です。

◇空気清浄機を設置する

喫煙ルームの場合、タバコの臭いが壁紙や家具に染み込んでしまうため、完全に消臭することは困難です。しかし、脱臭機能付きの空気清浄機を活用すれば、臭いをある程度軽減することはできます。

ただし、空気清浄機でタバコの有害物質を取り除くことは不可能です。あくまで臭いを抑えるだけなので、空気中の有害物質を除去したいなら、他の対策を検討しましょう。

◇消臭スプレーをまく

ホームセンターやドラッグストアで売っている消臭スプレーを活用すれば、タバコの臭いも手軽に軽減できます。衣類に使える消臭スプレーも販売されているため、アメニティとして導入するのも一案です。

また、消臭スプレーに含まれる「次亜塩素酸水」は、臭い成分を分解するため効果があります。タバコの臭いを抑えるだけではなく、トイレのアンモニア臭やソファの汚れが発する臭いなども除去できるため、汎用性が高いといえるでしょう。

◇オゾン消臭を行なう

オゾン(O3)は強力な酸化力を持っている気体で、オゾンから分離した酸素原子(O)と臭い物質が融合すると、酸化現象によって臭い物質が破壊されます。その結果、脱臭効果・除菌効果が発揮されるため、臭いの原因を取り除く方法として有用です。

ただし、オゾン消臭を実施する場合、オゾン発生器などの専用機器が必要になります。また、オゾンは濃度が高いと人体に悪影響をもたらすため、専門的な知識・技術を持つプロの業者に依頼しましょう。

清掃しても喫煙ルームの臭いが消えないときは



念入りに清掃しても喫煙ルームの臭いが消えない場合、以下のような対策を講じましょう。

◇壁紙を張り替える

タバコの臭いは壁紙にこびりついてしまうため、洗剤や消臭剤を使ってヤニ汚れを拭き取っても、臭いまで消せないかもしれません。臭い物質を取り除くためには、壁紙を新しいものに張り替える必要があります。

また、喫煙ルームを長期にわたって提供している場合、壁紙の下の石膏ボードにまで臭いが染み込んでいる可能性もあります。壁紙を張り替えても臭い物質は完全に除去できないため、専門業者に消臭作業などを依頼しましょう。

◇空調設備の清掃、交換を検討する

タバコの臭いや原因物質は、空調設備の内部にも入り込んで付着します。その状態で空調設備を稼動させると、送風口から臭いが一緒に流れてくるため、利用者を不快な思いにさせてしまうかもしれません。

空調設備から臭いを取り除くためには、送風口・フィルター・エアコンカバーなどの清掃が必要不可欠です。市販のエアコン洗浄スプレーでも消臭できますが、内部に残った薬剤からカビが繁殖する可能性もあるため、おすすめしません。

また、空調設備のタイプや設置場所によっては分解・清掃が難しいケースもあります。必要に応じて専門業者へ依頼することも検討し、しっかり清掃しても臭いが消えない場合、最新モデルに交換することも検討しましょう。

ホテルの部屋の臭い対策に、共有部分へ喫煙所を設置



2020年4月に改正健康増進法が全面施行されたことで、第二種施設に該当するホテルは客室(喫煙ルーム)を除いて原則屋内禁煙となりました。ただし、一定の条件を満たすことで、エントランス・ロビー・中庭などの共有部分へ喫煙所を設置できるようになります。

先述の臭い対策でも十分な効果が見込めない場合、喫煙ルーム自体を廃止したうえで、共有部分に喫煙所をつくって分煙化を進めるのも一案です。

◇喫煙所を設置するための条件

ホテルの共有部分に喫煙所を設置するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

● 喫煙所入口の外部から内部への気流が、出入口の上中下で毎秒0.2m以上である
● タバコの煙が喫煙所の外部に漏れないよう、壁・天井によって区画分けされている
● タバコの煙が屋外・外部に排気されている

また、喫煙所にはホテルの従業員も含めて、20歳未満の方は立ち入ることができません。喫煙所をつくった場合、出入口に「喫煙可能な場所であること」のほかに、「20歳未満は立入禁止であること」を掲示する必要があります。

さらに、喫煙所の風速を約3ヵ月ごとに計測したうえで、計測結果のレポートを作成することも必要です。

喫煙所の設置条件は法律遵守のハードルが高いため、より簡単に設置できる喫煙ブースの設置も検討しましょう。

◇自治体からの助成金の活用もおすすめ

喫煙所の設置にあたり、自治体が提供している助成金を活用することも大切です。例えば、東京都なら以下のような助成金があります。

受動喫煙対策支援補助金
飲食事業者向け経営基盤強化支援(受動喫煙防止対策支援コース)

助成金によって上限額や補助率は異なりますが、数百万円を超える金額が支給されるケースもあるので、喫煙所の設置にともなう金銭的負担を大きく軽減できます。募集要項や申請期限はホームページなどに細かく記載されているため、あらかじめ確認しておきましょう。

喫煙ルームの臭いでクレームを受けないためにホテル側がすべきこと

喫煙ルームの臭いに関するクレームを防ぐためには、以下のような対策が有効です。

◇ホームページ等で喫煙・禁煙ルームをわかりやすく表示する

ホテルの利用者が予約する際、喫煙・禁煙ルームの選択を間違えないよう、ホームページや予約サイトではわかりやすく表示しましょう。実際、非喫煙者が喫煙ルームを予約してしまうケースはあるため、事前に対策を講じることが大切です。

特に予約内容の変更を受け付けていない場合、キャンセルにつながる可能性もあるので、予約画面の時点できちんと説明しておきましょう。

◇喫煙ルームを廃止して、共有部分に喫煙所を設ける

客室にタバコの臭いが一度付いてしまうと、臭い対策を実施しても臭いが残ってしまいます。喫煙ルームを廃止し、共有部分だけに喫煙所を設けることで、クレームは発生しにくくなるでしょう。

ホテルに喫煙ブースを設置するならクリーンエア・スカンジナビア

クリーンエア・スカンジナビアでは、分煙化を進める企業・店舗向けに後付け型の喫煙ブース「分煙キャビン」を提供しています。

当社の分煙キャビンは100V電源と空きスペースがあれば、屋内のどこにでも設置可能です。喫煙所用に新しく部屋を用意したり、大がかりな設置工事を行なったりする必要がなく、以下のような法律要件の計測やレポート対応もすべて任せられるため、時間と費用を大きく節約できます。

● 総揮発性有機化合物の除去率が95%以上であること
● 当該装置によって浄化され、室外に排気される空気における浮遊粉じんの量が0.015mg/m3以下であること

また、クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンは、特殊な粒子フィルターを搭載していることも特徴です。臭いや健康被害の原因となるタバコ粒子をほぼ100%捕集でき、安心で快適な空気環境を実現します。

【クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンの導入事例】

谷川温泉 別邸 仙寿庵
旅館たにがわでは、お泊まりいただくすべてのお客様に、心からお寛ぎいただきたいと考えております。喫煙者のお客様と、お子様を含む非喫煙者のお客様、両者が快適に過ごせるよう、最適な分煙対策を模索してきました。

そのような折に、ある展示会でクリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンに出会いました。その性能を確かめようと、社内の喫煙スタッフにタバコを吸ってもらい、吸わないスタッフが煙や匂いの漏れを確認するという「実験」を行なった結果、「本当に漏れていない」「ドアがないのにすごい」との声があがり、導入に至りました。

クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンは、シンプルでスタイリッシュなデザインで、「喫煙スペース」という概念を覆すものです。旅館のコンセプトや景観、眺望を損なわず、自然に空間に溶け込んでいます。

さらに、吸い殻廃棄の手間もなく、スタッフの受動喫煙による健康被害の予防にもなっています。



まとめ

ホテルの客室は喫煙ルームとして提供可能ですが、タバコの臭いが壁紙や空調設備に付着してしまうリスクもあります。空気清浄機や消臭スプレーで臭いはある程度軽減できるものの、完全に除去することは難しいため、共有部分に喫煙所や喫煙ブースを設置したほうが良いかもしれません。

特に、喫煙ブースは設置場所を選ばないうえ、喫煙室を設置する場合と比較して導入コストも割安であるケースが多いです。ホテルの臭い対策でお悩みの場合には、ぜひ一度クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンをご検討ください。